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やる夫で学ぶ並行イスラーム論 その2

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82普通のやる夫さん2016/12/30(Fri) 15:20:09 ID:95d5c3f1
イスラームってアイス(氷)ラーム(火星)って意味でブリュンヒルトのとか卑弥呼に関係してたりすんの?

菊(蓮華)に反応したりとかだし?


83◆gKNcHiCsig2016/12/30(Fri) 16:19:34 ID:4369f23f
                         -
イスラームをラテン文字転写すると al-islamとなります。

このislamという文字はアラビア語でAslama(アスラマ)という言葉を動詞化したものです。
Aslama(アスラマ)の元々の意味は「降伏する」「誰かの指示に従う」「服従する」と言ったものを意味します。

※平和という意味を持つとも言われているが、少なくとも中世の段階でこのような使い方はない。

ここから転じて神への絶対的な帰依 アッラーと預言者ムハンマドを信じ、クルアーンの教えに従って生きることを意味します。
ちなみに、alは定冠詞なのでここでは意味はありません。


確かに、エジプトの首都カイロはアル・カーヒラと呼び、征服者の都という意味のほかに火星と言う意味があるのではないかとされています。
しかし、そのように意味づけられているかどうは甚だ疑問ですし、ましてや卑弥呼やブリュンヒルトとの関係を立証することはできません。

少なくとも、Aslama(アスラマ)という単語はイスラーム以前の無明時代から使われている言葉のようですし
完全に東西の繋がりを否定することはできません。
しかし、少なくともクルアーンやハディースを見る限り、火星とイスラームの記述は見えません。


※今回以下のシーア派4大ハディース集を参照しましたが、見つかりませんでした。
しかし、スンナ派法学派のハーディスを探せば見つかるかもしれません。

クライニーの「カーフィの書」
イブン・バーバワイヒの「法学者不在の時」
トウスイーの「律法既定の修正」「異端伝承に関する考察」

.


84普通のやる夫さん2016/12/30(Fri) 16:57:07 ID:a0fb2a31
南無阿弥陀仏的な感じか
アッラーに帰依しますというだけで誰でも平等に信徒になれるから流行ってるって聞いて浄土真宗じゃねえかと思った


87普通のやる夫さん2016/12/30(Fri) 21:59:05 ID:8d817bdc
予想以上にガチな回答だ…


88普通のやる夫さん2016/12/30(Fri) 22:28:44 ID:4cb1e198
alってアラビア語でも冠詞なのか


71普通のやる夫さん2016/12/29(Thu) 21:20:47 ID:3209b476

イッチはスンナ派とシーア派どっちが好き?あとその理由


78普通のやる夫さん2016/12/29(Thu) 21:58:31 ID:27a25feb

天皇が国のトップとして政治をすることに違和感を感じないみたいな感覚なのだろうか
違うか


90◆gKNcHiCsig2016/12/30(Fri) 23:30:59 ID:4369f23f
>>71
アラウィー派(トルコではアラブ・アレヴィーとも)
トルコの宗務庁においてアラウィー派をスーフィズムの伝統に置いている
その一方で、アラウィー派の人々は自分を12イマーム派だったり、独自の宗派だと認識したり混乱が見られておもしろい。

※アラウィーはアラビア語 これをトルコ語で言うとアレヴィー
トルコではアラブに由来を持つシーア派という意味で、アラブ・アレヴィーと言う


>>78
王がではなく、政府がですね
日本を例にすらならば、「内閣がキリスト教への圧迫を和らげるために神社を閉鎖する」とした場合
日本なら政教分離に反していると当然批判されます。しかし、旧ソ連圏ではそれが許容されます。
宗教が政治を操作するのは駄目でも、政府が宗教を操作するのは良いからです。



92◆gKNcHiCsig2016/12/31(Sat) 04:15:03 ID:d2d1b6ff


今回の投下内容

1話:イスラームの本質を巡る議論 グリューネバウムの公式/民衆イスラーム論を手掛かりに


1-0 イスラームの多様性と並行イスラーム論の関係
1-1 レドフィールドから受け継いだグリュネーバウムの公式/民衆イスラーム論
1-2 二元論解釈イスラーム
1-3 振り子理論と一元論的解釈
1-4 一元論解釈の問題点
1-5 文献



.


93◆gKNcHiCsig2016/12/31(Sat) 04:15:48 ID:d2d1b6ff

               ____
             /      \
           / ─    ─ \
          /   (●)  (●)  \     ありす、前回のでなんとなく並行イスラーム論の事がわかったお
            |      (__人__)     |
          \     `⌒´    ,/     それで今回は何を話すんだ?
          /     ー‐    \



               _ _
           ,....:::::´:::_ヽ::::_::::...、
         ,.:´,..::´::::::::::::::::::::::::::::`::ヽ、
          /:::/:::::::::::::::::::::::::/、::::::::::ヽ::ヽ
          ,::::/:,:::::,:::::::::/::/:/  ヽ::、:::::∨::.
     ,...---|:::|:/:::/:::::::/::/}/   }:∧:::::|::|:{
    {   ,.|:::{':::/::::/⌒/'    ⌒∨:}::|リ
    \,  |::r∨:::イィ斧ミ、   ィ斧ヽ}:,::/'
      乂 _;::{ Ⅵ:| Vり      Vリ 'イ|「
         /::乂ム:::}       '     ム}   今回はいったん旧ソ連圏から離れて、イスラーム研究で
         ,:::/:::/:::}::|::.、    ,.,  イ:::|
      /::/:::/:::::j:/::::|>    イ::::l::∧   公式/並行イスラームの分類に似た概念を巡って議論されていることを
       /::イ:::,::::::/ ̄ ̄ ̄ ̄`´ ヽ|:::/イ:::::ヽ  お話しします
     /' /::::/ィ 乂┼╋┼╋┼╋}'≧- 、::::}
      { {::::/∧  ヽ╋`¨¨¨╋┼╋ノ  Ⅵ
      | |:::{/  \  ` ー r----- ´   }'
      { |::::|    ヽ     |      ∨ |
      Ⅵ      l     |={_}=    }  |
       |     ,     |       ,:  |
       |      {     |        {
       |      |     |={_}=     }  |



.


94◆gKNcHiCsig2016/12/31(Sat) 04:18:34 ID:d2d1b6ff

             ____
           /   ― \
           /   (● )  ヘ\
        |   (⌒   (● ) |    並行イスラーム論は旧ソ連ムスリム地域に適用する議論って
         ヘ     ̄`、__)  |    前回ありすが言ってたお?
           ヽ         u, |
         , へ、      _/     なのに、今話を大きくする必要があるのかお?
            |          ^ヽ
            |      1   |



        ___,,,-―--、_
      /::. ::. ,,-――::. ̄ー、
     /::. ::./::. ::. :/::. ::. ::. :、ヽ、
     .|::. :/::. /::.:/::. ::. ::ハ::. ::k ::ハ
     |::. i::. /::. ::. ::. ::,イ:/  ヽ::. :i:: ::|
  r-‐Tミ|::./::. /::. ///    ヽ_|:: ::|
 .く  ┤ミ|::|::./_,,ナーレ′  ,,-'´ !|:λ}
  ヽ /|t、_レ|/‐yテj=ミ    ィ=テyレ′
.     |:!(t |::.i 《 tしソ    もノノj|      並行イスラーム論は確かにソ連の学者の影響を受けて成立しています
    |::|:ゝ|::..k      ,    |::|
    /λ入|::. :〉、    _    ノ::.:|      しかし、その一方で、欧米の研究者がイスラームとは何か…という
   /::|:〉'、ー|:: |Y i´r゙}ュ__,,.ィ'´/::.:/      議論の影響を大いに受けているのです。
.  /::/i'、 ゙ーV「VUUj ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
  /::.i:: k、   / |            .|     ここを語らなければ、並行イスラームの限界と成立過程を明らかにできないのです
. {: :.|::.|  ̄/. i             |
  ヽ::ri:| r'i.  |           .|
   `t:| / !.   |______rfヽ{ヽ__.」



.


95◆gKNcHiCsig2016/12/31(Sat) 04:20:19 ID:d2d1b6ff

※付け忘れ 1-0 イスラームの多様性と並行イスラーム論の関係

        ____
       /    \
.    /          \
.  /    ―   ー  \
  |    (●)  (●)  |    そういうもんかお
.  \u.   (__人__)  /
.   ノ    ` ⌒´   \
 /´             ヽ




                 ,...:::::::::::: ̄:::::::::.....、
              ,..::::´ ̄`:::::::::::::::::::::::::::::::\
             ,.:':::::::::::_,::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
              /::::,:::/   !::::{:::::::::::、::\::::::::::::::::.
             ,|:::://    ト::::∨:::::::::\::ヽ::::::::、_:.
             l{:::イ{ `ヽ  l{\}\::::::::::ヽ::∨:::::::-}\
            从:{ィ雫、    ´ ̄ \::::::::Y:}::::::::::ム_) 、
                〉 Vリ   ィ≦雫、\:::}/::::ノ::ト  _ノ
             {  ,      Vじ' ノ /∧j-く::::::乂  ノ
              八            // )/ ノ::::::::∨¨        そういうものですよ
            {::/ ヽ `ヽ    /::イ--<:|::::::\::\
            |'  r=` r--=≦{:/ 、::::::::::::人::::::::::\::\       ……では早速、イスラームの本質を巡る議論について
                」f-┼╋┼ /╋`rーイノ:::}:::: \::::\::ヽ      お話ししましょう
           _/┼╋´ ̄ ̄ ̄` ー=イハ:::|:::::::::::ヽ::::::::::::',
          ,..{//lV/ ̄ `┼╋≦╋┼╋イ}:|:::::::::::::::∨:::::::::}
          /-⌒Y      \\╋\__彡:}:::::::::::::::::|:::::::::::|
          { ⌒V        ∨\┼Ⅵ |:∧:::l:::l::::从::}:::::/
          Ⅵ/j{           }  \╋∨:::::∨:/イ  }'l::/
             `|/||           ,:     \+∨::/:イハ   /'
           |/||       /     /∧#∨╋+ }


.



96◆gKNcHiCsig2016/12/31(Sat) 04:23:01 ID:d2d1b6ff


1-1 レドフィールドから受け継いだグリュネーバウムの公式/民衆イスラーム論


            ,.....::::::::: ̄ ̄:::::`ヽ、
           /-、::---:、:::::::::\:::::::\
            ,.:´::::::::::::::::::::::::\::::::::::\:::::::ヽ
        /:::/::::/\::::::ヽ::::ヽ::::::::::::ヽ:::::::.
        .':::::|:::/   \::::∨:::∨:::::、::|:::::::|_
         |:::,::|/__     ヽ::{、:::::∨:::{Ⅵ::::: | `ヽ
         {:イ::|'  `    イ}´\::∨:|:::|::イ:|   '
        从{ィ雫ミ、    ィチ雫ヽⅥ:,_::::|::| 、/   まず、イスラーム社会とは何から構成されているのかと言う議論は
           |. 、Vリ     V(ソ ノ':::::|) }:|::|ー'
           |::      ,       /:::::|ノ::|::|      20世紀初頭からずっと続けられていますが
           |人    _  _  ィ{:::::/_}:::|:::.      本格的にその議論の先駆けとなったのは1960~70年代の頃です
           人::::>.. _``「Yヽヽ='|::/イハ:j::::l
          ∧::}`┼╋+ヽ/\/Y/╋┼}:::::|     まず、注目したいのはアメリカの学者
          〈╋`┼╋┼{´{_/∧/⌒ヽ::::|     ロバート・レッドフィールド(1897~1958)さんです
          / 「>、ー― ∧     '.    }::|
        ,: |/r、//> 、 ∧     ,   |::|
          l  |/| Y 7ア/// ∧     ∨  ,:/


.



97◆gKNcHiCsig2016/12/31(Sat) 04:27:13 ID:d2d1b6ff


      ____
    /       \
  /   -‐´ `ー\
/     (●)  (●)\   ロバート・レッドフィールドって何をした人だお?
|        (__人__)  |
\      ` ⌒´  /
  >     ー‐  <
. /      / ̄彡ミヽ、
/    ヽ /  / ヽ  ヽ
ヽ.    Y  /   |  |
 ヽ     ノ    ヽ ノ



          , ―‐ ------  _____   ――‐ァ
          /..。s升.:.:.:.-- _..:.:.:.:`ヘ     /
.         //.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`.:.:、.:.:.:.:,   {
        /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\.:.′  ∨
.       /.:.:.:.:.:.: ,.:.:i|ト、.:.:.':..:.:.:.:. ’,.:.:.:.:、.::′  ∨
       ′.:.:.:: /.|.:.:|'. \.: ':..:.:.:.:..:’,ト、{.:.:.:≧oイ..
       |.:.:.:.:.:/ |.:.:| \{. \.:.ト、.:.:.:.’,.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`:.....
       | .:.:/ 抖s.:|     抖気 }.:. .;\.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:    彼はメキシコを中心とした中米において
 .      八.:/ム Vヅ     Vヅ ′.:.:.:.:\.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:    農村の研究をした人です。
       /.:.:.:.ハ         / ⌒}〕ト、.:.:\.:.:.:.:.:.:.:.:.
       .′.:.{. /\  r 、   イ- /╋〉.:\〈.:.:.:.:.:.:.:.:.:    彼の著作『文明の文化人類学 : 農村社会と文化』において
.      八.:.:.\{  ≧=- <╋. /╋ ′ ト、..:.:.:.:.:.:.:.:.:.    中米の社会を……
        >-彡╋┼╋┼╋┼ /i:i:i:i:i:’,. ¨  _.:.:λ
.         /i:i:i:/二二二二二.T ′:_ :-i:i:i: |╋┼╋¨     エリートが担う大伝統とより日常的に行われる実践の小伝統に分け
        /i:i:i:/二ニニニニニニニ .|:i:i:iリ へi:i:i: |┼╋┼╋    (都市=大伝統)/(地方=小伝統)という議論を作りました
.       /..。s升i:i〈―ァニニニ /、:i:/:i:i:i:i:i:i:i ′.,┼╋┼
.      /i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i〉ノニ /」:i:i:i:i:7ー<:i:i:i:,’.  ’,╋ /
     ′i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i_7ニニ〈´イ:i:i:i:i:/:i:i:i:i∨.,’   |. /
     |i:i:i:i:i_ .。o≦ニニニニ ≧o。:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/     |.′
     `¨7ニニニニニニニニニニニニ ≧o。:i:i:イ∨


.



98◆gKNcHiCsig2016/12/31(Sat) 04:30:08 ID:d2d1b6ff


     ____
   /      \
  / ヽ、   _ノ \
/   (●)  (●)   \   メキシコ?イスラームはどこに行ったんだお!?
|  U   (__人__)     .|
\    |i||||||i|     /
 / __` ー'
 (___)




                      __ --――-
                   ,...:.:.´.:.:.:.:.:.:.:.―‐ 、.:.:.:.:、
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              /xx|.: i|.:.:.:.:.|.:.:.:/ i|    ィ斧ミ、}.:.:.i|7      ¨  _      まあ、待ってくださいやる夫さん
               ' . x|.:从.:.:.: |.:.:x斧ミ、  〃Vzり .| : :i|′        .′
               lxム.:.∧.:. .〃Vzり   ,      |.:. 八         .′     このレッドフィールドの大伝統/小伝統に分ける議論は
                jxx'.八.ト、.:.:...        _    ..: :/           .′
               `ー.'.:.∧.:\ム    ´    イ..:./          .′      イスラーム研究にも持ち込まれるんですよ
                 |.:.:.:.:.ト、.:.\⌒ー―‐<__.7. ′         .′ _  ――‐ 、
                .′./ \.:.:.:、`¨¨¨¨¨´. /./           ′´       \
                /イ_____. }.:.:′ー―‐ /.イ、       r--、. .′   ´ ̄ ̄ ̄ 、.∨
.             _ /′     /イ`¨¨¨¨¨¨¨¨¨´∨ニ=--γ⌒ ∨ ¨         } |
        _  -  ¨ /       ≧ _   \  _. ¨   / ム「,  /         / |
.    ,       /             ≧  _ \.     { _r--- Y、.       /  /
 .  /   _  -/        |           ≧     |. {、___. |      ′  /
  .′     ,        /.|      O     O |.     | |     |.      {   {
  |. /    /   _______/.:. : |              |.     | |     |.      |/ ̄  、
  | 〈     、      \.:.:.:.:,      O     O |.     | {          八.  , ―‐
  八 `  __ト、.     {´\. ′ | /.           |.    八∧    .′     \/
   \.     \       \} .i|/   O     O |.   〈ト、.     八
     `   _.  ∧.、    /  /ー‐、.           |    ∨>  __/
        |  /     {  /_ 二)    O     O |.      ,
.         /     >-7/`¨¨           |      ′



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99◆gKNcHiCsig2016/12/31(Sat) 04:33:04 ID:d2d1b6ff



.              /      . : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
            ´ / . : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :: ::`,
           ___,/   ´ . : : /: : : : : : : : : : : : : : : : : :: :: :: :: :: ::´,
.         |¨/  . .: :: ::/: : :/:/ / :/ /: : : : : : : : : : : : : : ::´,
.         |/ . .: :: :: ::/__/| :/ / : ′,′:′ : : : : : |: : : : : : :´
        ,′ : : : : : // ` |/ i :/  ′厶:!: .:| : i : |: : : : : :: ::i
          {  : : : : ::/{__,    丶|/  i :/⌒i : :| : i : |: : : : : :: ::|__
         ': : : :: ::仆=卆=ミ      |/  八: :| : i : |: : : : : : :::|¨}
          [\; ; : ,小 r┘ _) `     ‐‐- `:| : i : |: : : /:: :: :| :}
          [_:_乂|: : | _乂辷ン      竿ミト, | : i : |: : /:: :: : :|∧
          | : :i: :|∧| , , ,         r┘_) _}〉: ; : ::|: /: :/i:: ::|
          | : :|:i:圦       ′   弋辷ン/: :/: : ::|/: :∧i: : |      それでこの大伝統/小伝統議論を持ち込んだ人が
          | : :|:| : : :..             , , ,  厶イ:{: : 八 :∧i:i: : |
          | : :|:ト、 : ;心、   ‘ ’      勹八{/|: ::/i:i:i:i: : |      グリュネーバウム(Grunebaum 1909~1979)さんです
          | : :|:|: :\ 「   、__     ィ: : : :: :: i:i:i:i:'^Y i:i:i:i: : |      彼はオーストリア生まれで、アメリカで研究生活をした人で
    -─┬‐| : 从_:_:_:ソ       / : :|:: :: :::,'´|i:i:/ ,′.:i:i:i:i : |      アラビア語の専門家でした
  /    ^V⌒!__厂]「´       ,′: :|: : : ::i |i:/ /. . ::i:i:i:i : |
. /      :/ ∧_,厂}|        _人_j__:|: : : ::| |/_,.厶: : ::i:i:i:i : |
/      :/ ∧__ 厂}ト、__     __,,ノ¨ ̄} ̄}r-'´)^ -‐ ∨::i:i:i:i : |
     .::/ ∧____厂〃⌒¨∨¨⌒ヽ__厂} ̄}| く /  __. }: :i:i:i: : |
    .:::/ ̄ ̄V⌒!__{{__ __只__ __}}__厂__./|   `i__/  '::i:i:i: : |
    ::厂 ̄\ノ , ′厂¨゚7/ | 「゚¨Ζ _厂}八   {  火⌒i:i: : |
   _,′‐‐- | 〈  ′○{:{__| |厂__厂__,/^{{\_ __/⌒Y^|:i: |
\__{{  ヘ.,_}┘,′   /¨¨| | .厂 f'⌒  ii⌒Y⌒Y⌒^人|:i: |
  ::ⅱ   ‘, ,:′ ○ / ___,|_|_厂 __}   ∧_人__,    !i |
Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒l__ __/⌒Z...ノ⌒Z⌒ヽ  / ∧        ’:i |


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100◆gKNcHiCsig2016/12/31(Sat) 04:35:52 ID:d2d1b6ff


                  _....:::―::....._
              ,...:::´:,::::―---―:ヽ、
             ,.:´:::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
              /:::::::/:,::::::::::::,::::::|:::,、:::::::::::::::\
            ':::::::/:/::::::::::/::,.:' }/  ヽ::、:::::::::ヽ
          ,/{:::::/:/::::::::-/:/、/'    |:∧:::::l:::',:|
         /(__/|::::l:イ::::::://'     ´}  ∨:|:::}:|
         ト  ,{::,.-|:::イ,ィ震Tミ    ,ィ震ミ, }:/:/ '
         {   /|:{ {'|::从 Vソ    Vソ ノ/::イ
          乂ノ/::乂、}:::::ヽ      ,   ムノ       彼はイスラームは1つの確固たる文明ではなく
          /::,::::::::∧:::::::.     、 ,   人|        多種多様な文明の総体として捉えました。
           /::/:::::::::{::::\:::} 、      イ|:::/
           ,:::/,:::::::::::|::::|::|从  ` T ´-r、,|:/、       その上で、文化的エリートが担う大伝統と非エリートが担う小伝統が
        /::イ/:::::::::/ィ |::|ムリ、_,__ノイ_∧.......       あると主張したんです。レドフィールドのイスラーム版ですね
          /:/ /:::::::::/.......ヾ}乂匸 ィ介ー;/}_」、...}        /)とニヽ
       {:/ ,::::::::/{...........リ...乂〉、〈∧〉 /_〉.∨...ヽ     Y  ,ィ_ニ}ノ
         从 {::::::::{ム..............}.....`ー、_,l|。}ノ........}......_}    /  ムィノ
        ヽ} |::::::::|:∧...........|.....................;.............,./.....Y  ,   /¨ ´
          ' 从:::::|:::::}...........∨...............,j.l........./,ィ⌒ヽ.〉 ´  ,
           Ⅵ从:|.......\.∨.........../..j......〃  `Y,J    /
           リ   |.............>、_./_/--V   t-ノ   /
              乂.....¨´...........................}_)-く.「´  ,
                \................................|_)..| ` ー ´
                  ノ...ー.......¨¨¨¨ ̄.....∧

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101◆gKNcHiCsig2016/12/31(Sat) 04:40:14 ID:d2d1b6ff


               ____
              /    \
              /          \
            / ⌒    ー    \   大伝統/小伝統って公式/並行に似てるような…
             |  (●)  (●)    |
            \  (__人__)  u. /
              /   `⌒ ´   イ`ヽ、
         , '     ` ̄          \




        。z≦=x==s _
      /:::::::::/::::::\::::::`ヽ
     //:::::/{:::|:::::::i::::::::::::::::::::ヤ¨ヽ
      1:::/ vⅵ::::::|:::::::l|::::::::::::ヤ ̄`ヽ
      从}ィ旡㍉::::',::::::リ::::::::>{<ヽ /    似てると言うか、それをソ連のイスラームに持ち込んだんですね
        ノ ソ  ゞ込_ノ::::::父彡ミ、_j     まあ、まるっきり一緒じゃありませんが
      〈    '''' }:::リλ弋::::::::::.ヘ__〉
       Y⌒ヽ ,/::/ イ:::::丶::::::::::.      この議論は1970年代には成立したわけですが……
          `ー /::/   ヤ:::::::::ヽ:::::::.      後々には  「ウラマー(イスラーム法学者)が担う公式イスラーム」
          i::/ > 彡⌒ヽ;::::::\ヘ     「スーフィーが担う民衆イスラーム」の二分論として捉えられるようになったんですね
          |' 1} /i:i:i:i:i:i:i:\:::::::\、
           j l^Y:i:i:i:i:\i:i}ヽ::\:\
             |。|:i:|:i:i:i:i:i:i:i:∨i:i∨:::ヽ、\
             |。|:i:Ⅵ:i:i:i:i:i:i:iⅵi:i∨:| トリ
       ___   ヾ',i:i:Ⅵ:i:i:i:i:i:i:iⅵ:i:i∨
      r ´f ̄゛t‐- ヘi:iⅥ:i:i:i:i:i:i:iⅵ:i:iゝ


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102◆gKNcHiCsig2016/12/31(Sat) 04:47:42 ID:d2d1b6ff

1-2 二元論解釈イスラーム

ゼイン…民衆のイスラームの実践多様性があると主張 大文字単数のイスラーム/小文字複数のイスラーム

※スーフィー以外にも 聖廟・家族の儀礼などの着目した議論

               _ _
           ,....:::::´:::_ヽ::::_::::...、
         ,.:´,..::´::::::::::::::::::::::::::::`::ヽ、
          /:::/:::::::::::::::::::::::::/、::::::::::ヽ::ヽ
          ,::::/:,:::::,:::::::::/::/:/  ヽ::、:::::∨::.
     ,...---|:::|:/:::/:::::::/::/}/   }:∧:::::|::|:{
    {   ,.|:::{':::/::::/⌒/'    ⌒∨:}::|リ
    \,  |::r∨:::イィ斧ミ、   ィ斧ヽ}:,::/'
      乂 _;::{ Ⅵ:| Vり      Vリ 'イ|「    そして、この公式/民衆イスラームは部分的に修正されながらも
         /::乂ム:::}       '     ム}     1970年代以降も派生した議論が続けられます。
         ,:::/:::/:::}::|::.、    ,.,  イ:::|
      /::/:::/:::::j:/::::|>    イ::::l::∧     例えば、ゼイン(el-Zein 1934~1979)さんは
       /::イ:::,::::::/ ̄ ̄ ̄ ̄`´ ヽ|:::/イ:::::ヽ    民衆イスラームは公式イスラームよりも多様性に満ちていると主張しました。
     /' /::::/ィ 乂┼╋┼╋┼╋}'≧- 、::::}
      { {::::/∧  ヽ╋`¨¨¨╋┼╋ノ  Ⅵ    そして大文字単数のイスラーム/小文字複数のイスラームとし
      | |:::{/  \  ` ー r----- ´   }'     後者の人々の信仰の実践を強調したんですね
      { |::::|    ヽ     |      ∨ |
      Ⅵ      l     |={_}=    }  |
       |     ,     |       ,:  |
       |      {     |        {
       |      |     |={_}=     }  |


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104◆gKNcHiCsig2016/12/31(Sat) 04:57:08 ID:d2d1b6ff


アズメ… 大文字複数のイスラーム/小文字複数のイスラーム

※民衆イスラームの多様性を強調することはオリエンタリズム的だとゼインの意見に反発。



        ___,,,-―--、_
      /::. ::. ,,-――::. ̄ー、
     /::. ::./::. ::. :/::. ::. ::. :、ヽ、
     .|::. :/::. /::.:/::. ::. ::ハ::. ::k ::ハ
     |::. i::. /::. ::. ::. ::,イ:/  ヽ::. :i:: ::|
  r-‐Tミ|::./::. /::. ///    ヽ_|:: ::|
 .く  ┤ミ|::|::./_,,ナーレ′  ,,-'´ !|:λ}
  ヽ /|t、_レ|/‐yテj=ミ    ィ=テyレ′    これに対して、アズメ(al-Azmeh 1947~)さんは
.     |:!(t |::.i 《 tしソ    もノノj|      大文字イスラームと言う考え自体が、偏見に満ちた考えとして
    |::|:ゝ|::..k      ,    |::|
    /λ入|::. :〉、    _    ノ::.:|      公式にも多様性があると言う意味をこめて、大文字複数のイスラームを付け加えました
   /::|:〉'、ー|:: |Y i´r゙}ュ__,,.ィ'´/::.:/
.  /::/i'、 ゙ーV「VUUj ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
  /::.i:: k、   / |            .|
. {: :.|::.|  ̄/. i             |
  ヽ::ri:| r'i.  |           .|
   `t:| / !.   |______rfヽ{ヽ__.」


※オリエンタリズム
欧米社会がアジア・アフリカなどを(偏見・傲慢がしばしば結びついて)「異質」と見做すこと。
またあるいはその姿勢・思想・価値体系のこと。
しばしば、東洋の物を劣っているとすることから、研究の姿勢としては批判される
エドワード・サイード『オリエンタリズム』を読むと整理された議論があるので読んでみてはどうだろうか

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105◆gKNcHiCsig2016/12/31(Sat) 05:02:30 ID:d2d1b6ff


ワーデンブルグ(Waardenburg, 1930~2015)…規範的イスラーム/民衆イスラーム
※イスラームには統一的教義を出す機関がないことから公式と言う単語は不適当とする。

大塚和夫(1949~2009)…知識人イスラーム/民衆イスラーム
※公式イスラームは結局知的エリートが担っていることに着目して、公式を知識人とする。


          , ―‐ ------  _____   ――‐ァ
          /..。s升.:.:.:.-- _..:.:.:.:`ヘ     /
.         //.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`.:.:、.:.:.:.:,   {
        /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\.:.′  ∨
.       /.:.:.:.:.:.: ,.:.:i|ト、.:.:.':..:.:.:.:. ’,.:.:.:.:、.::′  ∨
       ′.:.:.:: /.|.:.:|'. \.: ':..:.:.:.:..:’,ト、{.:.:.:≧oイ..        こうした議論は他にも上記のような考えを生み出しました。
       |.:.:.:.:.:/ |.:.:| \{. \.:.ト、.:.:.:.’,.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`:.....
       | .:.:/ 抖s.:|     抖気 }.:. .;\.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:     多少の修正を産みつつも、公式/民衆イスラームの二分論は
 .      八.:/ム Vヅ     Vヅ ′.:.:.:.:\.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
       /.:.:.:.ハ         / ⌒}〕ト、.:.:\.:.:.:.:.:.:.:.:.     絶えず中心的な議論だったわけです
       .′.:.{. /\  r 、   イ- /╋〉.:\〈.:.:.:.:.:.:.:.:.:
.      八.:.:.\{  ≧=- <╋. /╋ ′ ト、..:.:.:.:.:.:.:.:.:.
        >-彡╋┼╋┼╋┼ /i:i:i:i:i:’,. ¨  _.:.:λ
.         /i:i:i:/二二二二二.T ′:_ :-i:i:i: |╋┼╋¨
        /i:i:i:/二ニニニニニニニ .|:i:i:iリ へi:i:i: |┼╋┼╋
.       /..。s升i:i〈―ァニニニ /、:i:/:i:i:i:i:i:i:i ′.,┼╋┼
.      /i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i〉ノニ /」:i:i:i:i:7ー<:i:i:i:,’.  ’,╋ /
     ′i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i_7ニニ〈´イ:i:i:i:i:/:i:i:i:i∨.,’   |. /
     |i:i:i:i:i_ .。o≦ニニニニ ≧o。:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/     |.′
     `¨7ニニニニニニニニニニニニ ≧o。:i:i:イ∨


.



106◆gKNcHiCsig2016/12/31(Sat) 05:04:57 ID:d2d1b6ff


             ____
           /   ― \
           /   (● )  ヘ\
        |   (⌒   (● ) |
         ヘ     ̄`、__)  |   だったって…過去形?
           ヽ           |
         , へ、      _/
            |          ^ヽ
            |      1   |




                      __ --――-
                   ,...:.:.´.:.:.:.:.:.:.:.―‐ 、.:.:.:.:、
                  .:.:.:/.:.::.:.:.:.::.:.:.:.:..:.:.:.:. \.′
.                /..:./.:.:.:.:.::.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:':..:.:..
                ′.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:. ':..:.:.,⌒Y
                ;.:.:.|.:.:.:.:.:./.:.:.:.:.:.ト、.:.:.ト、.:.:.:.:.:.:.:.: '...:′x{
.                ___|.: i|..:..:.:..′..:λ{  \{. \ト、.:...:.: '..:.:}x八‐  _         はい、この二分論は大きく分けて
              /xx|.: i|.:.:.:.:.|.:.:.:/ i|    ィ斧ミ、}.:.:.i|7      ¨  _
               ' . x|.:从.:.:.: |.:.:x斧ミ、  〃Vzり .| : :i|′        .′    ある二つの問題を抱えているがゆえに
               lxム.:.∧.:. .〃Vzり   ,      |.:. 八         .′    その有効性を失いつつあるわけです
                jxx'.八.ト、.:.:...        _    ..: :/           .′
               `ー.'.:.∧.:\ム    ´    イ..:./          .′
                 |.:.:.:.:.ト、.:.\⌒ー―‐<__.7. ′         .′ _  ――‐ 、
                .′./ \.:.:.:、`¨¨¨¨¨´. /./           ′´       \
                /イ_____. }.:.:′ー―‐ /.イ、       r--、. .′   ´ ̄ ̄ ̄ 、.∨
.             _ /′     /イ`¨¨¨¨¨¨¨¨¨´∨ニ=--γ⌒ ∨ ¨         } |
        _  -  ¨ /       ≧ _   \  _. ¨   / ム「,  /         / |
.    ,       /             ≧  _ \.     { _r--- Y、.       /  /
 .  /   _  -/        |           ≧     |. {、___. |      ′  /
  .′     ,        /.|      O     O |.     | |     |.      {   {
  |. /    /   _______/.:. : |              |.     | |     |.      |/ ̄  、
  | 〈     、      \.:.:.:.:,      O     O |.     | {          八.  , ―‐
  八 `  __ト、.     {´\. ′ | /.           |.    八∧    .′     \/
   \.     \       \} .i|/   O     O |.   〈ト、.     八
     `   _.  ∧.、    /  /ー‐、.           |    ∨>  __/
        |  /     {  /_ 二)    O     O |.      ,
.         /     >-7/`¨¨           |      ′

.



107◆gKNcHiCsig2016/12/31(Sat) 05:10:39 ID:d2d1b6ff


問題1.民衆とされた人々がネットなどで簡単に知識にアクセスできる

問題2.二元論理解はあまりに静的すぎて、イスラームの動態を理解できない

               _ _
           ,....:::::´:::_ヽ::::_::::...、
         ,.:´,..::´::::::::::::::::::::::::::::`::ヽ、
          /:::/:::::::::::::::::::::::::/、::::::::::ヽ::ヽ
          ,::::/:,:::::,:::::::::/::/:/  ヽ::、:::::∨::.
     ,...---|:::|:/:::/:::::::/::/}/   }:∧:::::|::|:{
    {   ,.|:::{':::/::::/⌒/'    ⌒∨:}::|リ
    \,  |::r∨:::イィ斧ミ、   ィ斧ヽ}:,::/'    まず1点目は公式の人々の公式である所以のイスラームの知識が
      乂 _;::{ Ⅵ:| Vり      Vリ 'イ|「     簡単に今では入手できることです。
         /::乂ム:::}       '     ム}      もはや民衆だった人が公式にもなれる状況で、この二分論自体が揺らいでいるんです
         ,:::/:::/:::}::|::.、    ,.,  イ:::|
      /::/:::/:::::j:/::::|>    イ::::l::∧     もう1つはこの二分論ではイスラーム社会はこうだ……というだけで
       /::イ:::,::::::/ ̄ ̄ ̄ ̄`´ ヽ|:::/イ:::::ヽ    実際のイスラーム社会の動きを捉えることが出来ないことです
     /' /::::/ィ 乂┼╋┼╋┼╋}'≧- 、::::}    この二分論をいくら議論しても、イスラームのテロなどを説明できないわけです
      { {::::/∧  ヽ╋`¨¨¨╋┼╋ノ  Ⅵ
      | |:::{/  \  ` ー r----- ´   }'
      { |::::|    ヽ     |      ∨ |
      Ⅵ      l     |={_}=    }  |
       |     ,     |       ,:  |
       |      {     |        {
       |      |     |={_}=     }  |


.


108◆gKNcHiCsig2016/12/31(Sat) 05:12:50 ID:d2d1b6ff


               ____
             /      \
           / ─    ─ \
          /   (●)  (●)  \     ……それじゃあ、イスラームの動態を見るにはどうすればいいお
            |      (__人__)   u. |
          \     `⌒´    ,/     これじゃ今までの議論が無駄だお
          /     ー‐    \



        ___,,,-―--、_
      /::. ::. ,,-――::. ̄ー、
     /::. ::./::. ::. :/::. ::. ::. :、ヽ、
     .|::. :/::. /::.:/::. ::. ::ハ::. ::k ::ハ
     |::. i::. /::. ::. ::. ::,イ:/  ヽ::. :i:: ::|
  r-‐Tミ|::./::. /::. ///    ヽ_|:: ::|
 .く  ┤ミ|::|::./_,,ナーレ′  ,,-'´ !|:λ}
  ヽ /|t、_レ|/‐yテj=ミ    ィ=テyレ′
.     |:!(t |::.i 《 tしソ    もノノj|       もちろんそれ対して研究者は、別の回答を作りました
    |::|:ゝ|::..k      ,    |::|
    /λ入|::. :〉、    _    ノ::.:|       それが次の一元論的解釈です
   /::|:〉'、ー|:: |Y i´r゙}ュ__,,.ィ'´/::.:/
.  /::/i'、 ゙ーV「VUUj ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
  /::.i:: k、   / |            .|
. {: :.|::.|  ̄/. i             |
  ヽ::ri:| r'i.  |           .|
   `t:| / !.   |______rfヽ{ヽ__.」


.


110◆gKNcHiCsig2016/12/31(Sat) 05:15:44 ID:d2d1b6ff


1-3 振り子理論と一元論的解釈


             ____
           /   ― \
           /   (● )  ヘ\
        |   (⌒   (● ) |
         ヘ     ̄`、__)  |   一元論的解釈?
           ヽ           |
         , へ、      _/
            |          ^ヽ
            |      1   |



            ,.....::::::::: ̄ ̄:::::`ヽ、
           /-、::---:、:::::::::\:::::::\
            ,.:´::::::::::::::::::::::::\::::::::::\:::::::ヽ
        /:::/::::/\::::::ヽ::::ヽ::::::::::::ヽ:::::::.
        .':::::|:::/   \::::∨:::∨:::::、::|:::::::|_
         |:::,::|/__     ヽ::{、:::::∨:::{Ⅵ::::: | `ヽ
         {:イ::|'  `    イ}´\::∨:|:::|::イ:|   '
        从{ィ雫ミ、    ィチ雫ヽⅥ:,_::::|::| 、/
           |. 、Vリ     V(ソ ノ':::::|) }:|::|ー'    はい、イスラームは二つに分けられるものではなく
           |::      ,       /:::::|ノ::|::|      1つの物であると主張したんですね。
           |人    _  _  ィ{:::::/_}:::|:::.
           人::::>.. _``「Yヽヽ='|::/イハ:j::::l     ここではゲルナーの「振り子理論」とアサドの「言語的伝統」
          ∧::}`┼╋+ヽ/\/Y/╋┼}:::::|     を取り上げてみましょう
          〈╋`┼╋┼{´{_/∧/⌒ヽ::::|
          / 「>、ー― ∧     '.    }::|
        ,: |/r、//> 、 ∧     ,   |::|
          l  |/| Y 7ア/// ∧     ∨  ,:/



.


111◆gKNcHiCsig2016/12/31(Sat) 05:19:34 ID:d2d1b6ff


.              /      . : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
            ´ / . : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :: ::`,
           ___,/   ´ . : : /: : : : : : : : : : : : : : : : : :: :: :: :: :: ::´,
.         |¨/  . .: :: ::/: : :/:/ / :/ /: : : : : : : : : : : : : : ::´,
.         |/ . .: :: :: ::/__/| :/ / : ′,′:′ : : : : : |: : : : : : :´
        ,′ : : : : : // ` |/ i :/  ′厶:!: .:| : i : |: : : : : :: ::i
          {  : : : : ::/{__,    丶|/  i :/⌒i : :| : i : |: : : : : :: ::|__
         ': : : :: ::仆=卆=ミ      |/  八: :| : i : |: : : : : : :::|¨}
          [\; ; : ,小 r┘ _) `     ‐‐- `:| : i : |: : : /:: :: :| :}
          [_:_乂|: : | _乂辷ン      竿ミト, | : i : |: : /:: :: : :|∧
          | : :i: :|∧| , , ,         r┘_) _}〉: ; : ::|: /: :/i:: ::|        まず振り子理論から説明しましょう
          | : :|:i:圦       ′   弋辷ン/: :/: : ::|/: :∧i: : |
          | : :|:| : : :..             , , ,  厶イ:{: : 八 :∧i:i: : |       これはゲルナー(1925~1995)さんという
          | : :|:ト、 : ;心、   ‘ ’      勹八{/|: ::/i:i:i:i: : |       ユダヤ系の人がイギリスで研究しているうちに唱えた論です
          | : :|:|: :\ 「   、__     ィ: : : :: :: i:i:i:i:'^Y i:i:i:i: : |
    -─┬‐| : 从_:_:_:ソ       / : :|:: :: :::,'´|i:i:/ ,′.:i:i:i:i : |       煎じ詰めると、イスラームは二つの極を振り子のように動いている
  /    ^V⌒!__厂]「´       ,′: :|: : : ::i |i:/ /. . ::i:i:i:i : |       と言ったわけです
. /      :/ ∧_,厂}|        _人_j__:|: : : ::| |/_,.厶: : ::i:i:i:i : |
/      :/ ∧__ 厂}ト、__     __,,ノ¨ ̄} ̄}r-'´)^ -‐ ∨::i:i:i:i : |
     .::/ ∧____厂〃⌒¨∨¨⌒ヽ__厂} ̄}| く /  __. }: :i:i:i: : |
    .:::/ ̄ ̄V⌒!__{{__ __只__ __}}__厂__./|   `i__/  '::i:i:i: : |
    ::厂 ̄\ノ , ′厂¨゚7/ | 「゚¨Ζ _厂}八   {  火⌒i:i: : |
   _,′‐‐- | 〈  ′○{:{__| |厂__厂__,/^{{\_ __/⌒Y^|:i: |
\__{{  ヘ.,_}┘,′   /¨¨| | .厂 f'⌒  ii⌒Y⌒Y⌒^人|:i: |
  ::ⅱ   ‘, ,:′ ○ / ___,|_|_厂 __}   ∧_人__,    !i |
Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒l__ __/⌒Z...ノ⌒Z⌒ヽ  / ∧        ’:i |



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112◆gKNcHiCsig2016/12/31(Sat) 05:23:26 ID:d2d1b6ff


               ____
             /      \
           / ─    ─ \
          /   (●)  (●)  \
            |      (__人__)     |    二つの極?
          \     `⌒´    ,/
          /     ー‐    \




                    _____
                    ´.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:`......
               /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\
              /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.. \
.             /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ,
             ′.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:. /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.'.:.:.:.:.:.:.′
.           /.:/.:.:.:.:.:.:.:.:.: /. / {.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:'..:.:.:.:. :. l\
.           ,.:./l .:i|.:.:.:ハ.:./|.:.′;.:.:ト、.:ト、.:.:.:.:.:.:.:..:..:.:.:'..:.:.:.:.:.:.|xx\
.           }/.V.::i|.:. ′.:l {.:l  八| .\{\r 、.:.:.:.:.:. .:|.:.:.:.:.:. ト、xxx\
             |.:八.:抖r=ミx      斧=ミx.:.:.:.:.:. |.:.:.:.:.:. |xxxxxxx〉    聖典に依拠し、ウラマーが指導する都市部の識字層
             λ .:.:.:{ }Ji:|       } Ji:| |リ八.:|、.:.:.:.:从xxxx/     が支持するイスラーム「p的特性群」
.            ハ.:.:.:.:ム V..ソ       V...ソ l.:.:.:.:vノ.:.:.:.:.:.:∨/
           .′:.:.i|..:.:.;      ,         |.:.:.:.:.:.':...:.:.:.:.:.:.:        カリスマ的な聖者の崇拝を中心とした地方の
.          /.:.:.: : i|.:.. ∧               八.:.:.:.:.:.:':...:.:.:.:.:.:..,       非識字層の「C的特性群」ですね
          /.:.:.:.: . .i|.:.:.:|.:.`     っ     イ- ∧.:.:.:.:.:.l.:.:.:.:.:.:.:.:′
.         /.:./.:.:.: :_i|.:.:.:|__  个ー― ⌒´ ―‐ ∧.:|.:.. |___.:.:.:.:.:.:.:.:..     まあ、それぞれ公式/民衆と捉えても間違いではないです
        /.::/.:.:.: 八i|.:.:.:| ________   |ハ.:/ 7.:.:.:.:ト、.:.:..,
        .′.{.:..: . ∧i|\j{ |ニニニニニニニニニニニニニ| ノ  /  /.:.:.: : | ;.:.:..
       ;.:.:./|.:.:.:.:.:..:.:ト、  |ニニニニニニニニニニニニニ|≦____.|.:.:.:.i| :| ′.: ,
       |.:/ .|.: i|.:.:. /. \ |へニニニニニγ⌒ヽニニ|_   { ’.:.: .i|. |  }.:.:l
       |{ 八.:「ヽ/.| √ ̄ ̄\|ニニニ{ / ̄ ̄ ヽ   .| ’..:从′ |.:/
          \./ | /     ∧ニニ |イ      '.   ..′ V    /
.          _ノ  ノ___     ∧二.|.       '.  {   ’,
         ´   .Y }   八_.    |二.|__ --‐―‐ 〈  从   ’,
    /       , |. |     ¨ - 八ニ. |       | ハ    ’,
   /       ___/. |./      _/ニニニ ∨       | .′ >    、
.  }     /.    |       /ニニニニニニ|       '      >. ’ ,
.  |.    /     |      ′ ̄ ̄ ̄.八      '|.         Y \
.  |   八      ;.     /     /  \     八           |   ’,
   `¨¨¨¨¨¨     7ー―. ′     ′   ` --<. \         |.   |



.


113◆gKNcHiCsig2016/12/31(Sat) 05:27:06 ID:d2d1b6ff


例:近代以降のイスラーム世界において世俗化が進み聖者信仰が薄れたのは
C的特性群→p的特性群へ移動したと見做せる

               _ _
           ,....:::::´:::_ヽ::::_::::...、
         ,.:´,..::´::::::::::::::::::::::::::::`::ヽ、
          /:::/:::::::::::::::::::::::::/、::::::::::ヽ::ヽ
          ,::::/:,:::::,:::::::::/::/:/  ヽ::、:::::∨::.
     ,...---|:::|:/:::/:::::::/::/}/   }:∧:::::|::|:{
    {   ,.|:::{':::/::::/⌒/'    ⌒∨:}::|リ    このp的特性群とC的特性群の間を動いているとするのが…振り子理論です。
    \,  |::r∨:::イィ斧ミ、   ィ斧ヽ}:,::/'
      乂 _;::{ Ⅵ:| Vり      Vリ 'イ|「      この振り子理論の特徴は、今までの二分論が分類を固定的に捉えていたのに対して
         /::乂ム:::}       '     ム}
         ,:::/:::/:::}::|::.、    ,.,  イ:::|       時代によってこれは変遷すると言うんです
      /::/:::/:::::j:/::::|>    イ::::l::∧
       /::イ:::,::::::/ ̄ ̄ ̄ ̄`´ ヽ|:::/イ:::::ヽ     さっきの問題で言うところの問題1の解決案を提示したんです
     /' /::::/ィ 乂┼╋┼╋┼╋}'≧- 、::::}
      { {::::/∧  ヽ╋`¨¨¨╋┼╋ノ  Ⅵ
      | |:::{/  \  ` ー r----- ´   }'
      { |::::|    ヽ     |      ∨ |
      Ⅵ      l     |={_}=    }  |
       |     ,     |       ,:  |
       |      {     |        {
       |      |     |={_}=     }  |


.



114◆gKNcHiCsig2016/12/31(Sat) 05:29:53 ID:d2d1b6ff


         ____
        /― ― \
      /(●)  (●) \
     /   (__人__)     \    はえ~すっごい……
      |    ` ⌒´      |
      \           /
        /         \
       |   ・    ・     )
.     |  |         /  /
       |   |       /  / |
       |  |      /  /  |
      (YYYヾ  Y (YYYヽ |
     (___ノ-'-('___)_ノ


        ___,,,-―--、_
      /::. ::. ,,-――::. ̄ー、
     /::. ::./::. ::. :/::. ::. ::. :、ヽ、
     .|::. :/::. /::.:/::. ::. ::ハ::. ::k ::ハ
     |::. i::. /::. ::. ::. ::,イ:/  ヽ::. :i:: ::|
  r-‐Tミ|::./::. /::. ///    ヽ_|:: ::|
 .く  ┤ミ|::|::./_,,ナーレ′  ,,-'´ !|:λ}
  ヽ /|t、_レ|/‐yテj=ミ    ィ=テyレ′
.     |:!(t |::.i 《 tしソ    もノノj|     まあ、この議論には欠点がありまして
    |::|:ゝ|::..k      ,    |::|
    /λ入|::. :〉、rュ_  _    ノ::.:|    民衆と公式があまりに一体化しているシーア派には適用できませんし
   /::|:〉'、ー|:: |Y i´r゙}ュ__,,.ィ'´/::.:/     彼の研究フィールドである北アフリカ以外で適用できるどうかわからないんですけどね
.  /::/i'、 ゙ーV^V´゙V_t''~ ̄~レ'ヽ
  /::.i:: k、  /    /  ノ   人
. {: :.|::.|  ̄/     i _'´,-‐'´ ̄| |
  ヽ::ri:| r'i     .├''´´rfヽ{ヽ | |


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115◆gKNcHiCsig2016/12/31(Sat) 05:33:07 ID:d2d1b6ff


       ____
     /⌒三 ⌒\
   /( ○)三(○)\       ……ダメじゃん
  /::::::⌒(__人__)⌒:::::\
  |     |r┬-|   u. |      限定的すぎるじゃないかお
  \      `ー'´     /




                 ____
              ,...::::::_::::::::::::::`:::..、
            ,..:::´ ̄::::,::::::::::`ヽ、:::::::::::::ヽ
           /::::::::,::::/ヽ:::::::、:::::::\::::::::::::',
         /::/:::/:/::/   Ⅵ:: |::{:::::::::\:::::::::
        ,:::,::::/:/-/、   {::{斗ム::::::::|:::|::::::::|、
        |::{::::Ⅳ _{      ヾ \}\:::}:::}::::::::}_ ヽ
        {:∧:::l,ィ雫ミ、    ィ雫ミ, Ⅵ/-、:::, \)    そこでもう1つアサド(1933~)さんの研究である
          从l ゝVソ      V(ソノ /::}'/ ,::::|   〉
          /:::.    '        /:::/_ノ:::: |   {    「言説的伝統」論です
            {:::人    、__,    /:::/::::::::::Ⅵ\_ノ
           |::/ |::::...     イ{::/:::|:::::::::::\ }
           |:{ 「 ̄┼`´╋┼ 从-、:::::::::::::::::∨
           ゝ} 乂╋┼╋┼╋┼╋ 、::::::::::::::::.
         / / \╋┼╋┼╋イ ∧:::::::::::::::}
           Ⅳ    /` ー―― ´ /  ,::::|:::::::::|
         ,:′   l{={}=     ,     |::::|:::::::::|
          {    /      /    ,:::::|:::::::::|
         |     ,′       /    /::::/::::::::/
        :    〃={}=    ,:      /::::/::::::::/
          {   {l       /    /::イ::::::/
          ∧   ||     /    /´/::イ
       ,   \ l{     /    /  ̄´
        /    ` |!   /    ∧
     /     ∧  /    /  \



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116◆gKNcHiCsig2016/12/31(Sat) 05:36:22 ID:d2d1b6ff


              _ -―………―-
              ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:`:..
        , ―― 7:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:...
.       ∧`¨¨¨ハ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ,
         ∧xx..′'..:.. /.:.:/.:.:.:.:.:.:.::.:. ハ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:′
         ∧x/.:.:.:..:'/./.:.:.:. .:.:.:/.:.:′ |.ハ.:.:.:.:.:.:..l
.       〈xxxj八__/.:.:.:.:.:.:.:.:.:///   リ {.:.:.:.:.:.:.i|
        `¨.′:{ |.:.:.:.{ ィ斧ミ          |.:.:.:.:.:.:j{
         /.:.:.八.|.:.:.:.| Vソ     ィ斧ミi}.:./.:.:/       彼は公式/民衆イスラームの分け方に対して
         .:.:.:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:,        Vソ |./j..::′
.        ,.:.:.:.:.:.:.:.:.ム.:. ∧     '      ム.:/: |        民衆イスラームは公式イスラームの逸脱としてのみ捉えていると批判しました
       /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.〈 \.>  `  ´  イ.:..i|.:.:...
.      /.:.:.:.:.:.:.:.:.,-.{ \ \{   ̄ ̄ ̄   ).:i|.:.:.:.:.       公式/民衆イスラームの見方では、まず先に規範があってそれにしたがって信仰実践が
      //.:.:.:.:.:.:. /  ゝ _ー―=ニ≦   _ イ:.八.:..:.:..       行われているというするんですが、それを批判したんです。
      .′|.:.:.:. /     、{`ー―――≦.  '  |.:.:.:.:.:..
.        |: /.  '.    |     ⊆ニニ⊇ ' |.:.:.:.:.:.|
      /     '     '.        '.   l.|.:.:./|.:{
     /     /:.'.     ,        '.   リ / 八
    ′.   /.:.:.:.: '.    l     ⊆ニ⊇  i|{
    l    / `¨¨¨¨¨'     |.        |   「` ____
    |   {       '.   }        |   |      7
    |    、.      '.  八         |   |、     〈
   八__ ≧      '..〈.         |   | `¨¨¨¨¨¨


.



117◆gKNcHiCsig2016/12/31(Sat) 05:40:20 ID:d2d1b6ff


             ____
           /   ― \
           /   (● )  ヘ\
        |   (⌒   (● ) |
         ヘ     ̄`、__)  |      ?????
           ヽ           |
         , へ、      _/       クルアーンやハディースを見て信仰実践をするのではないかお?
            |          ^ヽ
            |      1   |



          , ―‐ ------  _____   ――‐ァ
          /..。s升.:.:.:.-- _..:.:.:.:`ヘ     /
.         //.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`.:.:、.:.:.:.:,   {
        /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\.:.′  ∨
.       /.:.:.:.:.:.: ,.:.:i|ト、.:.:.':..:.:.:.:. ’,.:.:.:.:、.::′  ∨
       ′.:.:.:: /.|.:.:|'. \.: ':..:.:.:.:..:’,ト、{.:.:.:≧oイ..
       |.:.:.:.:.:/ |.:.:| \{. \.:.ト、.:.:.:.’,.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`:.....   いいえ、アサドはそう考えませんでした。
       | .:.:/ 抖s.:|     抖気 }.:. .;\.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:
 .      八.:/ム Vヅ     Vヅ ′.:.:.:.:\.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:   ここの信仰実践が、規範を作り出すと考えたんです
       /.:.:.:.ハ         / ⌒}〕ト、.:.:\.:.:.:.:.:.:.:.:.
       .′.:.{. /\  r 、   イ- /╋〉.:\〈.:.:.:.:.:.:.:.:.:   例えば、コーヒーは昔イスラームで禁止されていたのを知っていますか?
.      八.:.:.\{  ≧=- <╋. /╋ ′ ト、..:.:.:.:.:.:.:.:.:.   これを人々は無視して飲み続けた結果
        >-彡╋┼╋┼╋┼ /i:i:i:i:i:’,. ¨  _.:.:λ   イスラーム法的に合法になったんです。
.         /i:i:i:/二二二二二.T ′:_ :-i:i:i: |╋┼╋¨
        /i:i:i:/二ニニニニニニニ .|:i:i:iリ へi:i:i: |┼╋┼╋   こういう例はイスラーム世界にたくさんあるんです、
.       /..。s升i:i〈―ァニニニ /、:i:/:i:i:i:i:i:i:i ′.,┼╋┼
.      /i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i〉ノニ /」:i:i:i:i:7ー<:i:i:i:,’.  ’,╋ /
     ′i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i_7ニニ〈´イ:i:i:i:i:/:i:i:i:i∨.,’   |. /
     |i:i:i:i:i_ .。o≦ニニニニ ≧o。:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/     |.′
     `¨7ニニニニニニニニニニニニ ≧o。:i:i:イ∨


.



118◆gKNcHiCsig2016/12/31(Sat) 05:45:12 ID:d2d1b6ff


               _ _
           ,....:::::´:::_ヽ::::_::::...、
         ,.:´,..::´::::::::::::::::::::::::::::`::ヽ、
          /:::/:::::::::::::::::::::::::/、::::::::::ヽ::ヽ
          ,::::/:,:::::,:::::::::/::/:/  ヽ::、:::::∨::.
     ,...---|:::|:/:::/:::::::/::/}/   }:∧:::::|::|:{
    {   ,.|:::{':::/::::/⌒/'    ⌒∨:}::|リ
    \,  |::r∨:::イィ斧ミ、   ィ斧ヽ}:,::/'
      乂 _;::{ Ⅵ:| Vり      Vリ 'イ|「     まあ、このアサドさんの言いたいところは結局
         /::乂ム:::}       '     ム}
         ,:::/:::/:::}::|::.、    ,.,  イ:::|     公式/民衆は結局公式優位の前提であり、間違っている
      /::/:::/:::::j:/::::|>    イ::::l::∧
       /::イ:::,::::::/ ̄ ̄ ̄ ̄`´ ヽ|:::/イ:::::ヽ   信仰実践によって規範が生まれるという「言説的伝統」こそが正しいということなんです
     /' /::::/ィ 乂┼╋┼╋┼╋}'≧- 、::::}
      { {::::/∧  ヽ╋`¨¨¨╋┼╋ノ  Ⅵ  この「言説的伝統」は公式/民衆イスラーム論を乗り越えたと言う点で評価できると思います
      | |:::{/  \  ` ー r----- ´   }'
      { |::::|    ヽ     |      ∨ |
      Ⅵ      l     |={_}=    }  |
       |     ,     |       ,:  |
       |      {     |        {
       |      |     |={_}=     }  |


.


119◆gKNcHiCsig2016/12/31(Sat) 05:48:18 ID:d2d1b6ff


1-4 一元論解釈の問題点

        ___,,,-―--、_
      /::. ::. ,,-――::. ̄ー、
     /::. ::./::. ::. :/::. ::. ::. :、ヽ、
     .|::. :/::. /::.:/::. ::. ::ハ::. ::k ::ハ
     |::. i::. /::. ::. ::. ::,イ:/  ヽ::. :i:: ::|
  r-‐Tミ|::./::. /::. ///    ヽ_|:: ::|
 .く  ┤ミ|::|::./_,,ナーレ′  ,,-'´ !|:λ}
  ヽ /|t、_レ|/‐yテj=ミ    ィ=テyレ′
.     |:!(t |::.i 《 tしソ    もノノj|      だけども、振り子理論も「言説的伝統」も問題1は解決しましたが
    |::|:ゝ|::..k      ,    |::|
    /λ入|::. :〉、    _    ノ::.:|      問題2のイスラームの動態を見ると言う点では失敗しています。
   /::|:〉'、ー|:: |Y i´r゙}ュ__,,.ィ'´/::.:/
.  /::/i'、 ゙ーV「VUUj ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|     信仰実践をいくら観察しても、ISILやアル=カイダを説明できません
  /::.i:: k、   / |            .|
. {: :.|::.|  ̄/. i             |     この点をジゴンさんやシルケといった学者が批判しています
  ヽ::ri:| r'i.  |           .|
   `t:| / !.   |______rfヽ{ヽ__.」


.



121◆gKNcHiCsig2016/12/31(Sat) 05:52:08 ID:d2d1b6ff


         ____
       /      \
      / ─    ─ \
    /   (●)  (●)  \    まあ確かにそうだけども……
    |  u.   (__人__)     |
     \    ` ⌒´    ,/    それじゃあ、これを解決する議論は…
     /⌒ヽ   ー‐    ィヽ
    /      ,⊆ニ_ヽ、  |
   /    / r─--⊃、  |
   | ヽ,.イ   `二ニニうヽ. |



          , ―‐ ------  _____   ――‐ァ
          /..。s升.:.:.:.-- _..:.:.:.:`ヘ     /
.         //.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`.:.:、.:.:.:.:,   {
        /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\.:.′  ∨
.       /.:.:.:.:.:.: ,.:.:i|ト、.:.:.':..:.:.:.:. ’,.:.:.:.:、.::′  ∨
       ′.:.:.:: /.|.:.:|'. \.: ':..:.:.:.:..:’,ト、{.:.:.:≧oイ..
       |.:.:.:.:.:/ |.:.:| \{. \.:.ト、.:.:.:.’,.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`:.....
       | .:.:/ 抖s.:|     抖気 }.:. .;\.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:    ないです
 .      八.:/ム Vヅ     Vヅ ′.:.:.:.:\.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
       /.:.:.:.ハ         / ⌒}〕ト、.:.:\.:.:.:.:.:.:.:.:.
       .′.:.{. /\  r 、   イ- /╋〉.:\〈.:.:.:.:.:.:.:.:.:
.      八.:.:.\{  ≧=- <╋. /╋ ′ ト、..:.:.:.:.:.:.:.:.:.
        >-彡╋┼╋┼╋┼ /i:i:i:i:i:’,. ¨  _.:.:λ
.         /i:i:i:/二二二二二.T ′:_ :-i:i:i: |╋┼╋¨
        /i:i:i:/二ニニニニニニニ .|:i:i:iリ へi:i:i: |┼╋┼╋
.       /..。s升i:i〈―ァニニニ /、:i:/:i:i:i:i:i:i:i ′.,┼╋┼
.      /i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i〉ノニ /」:i:i:i:i:7ー<:i:i:i:,’.  ’,╋ /
     ′i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i_7ニニ〈´イ:i:i:i:i:/:i:i:i:i∨.,’   |. /
     |i:i:i:i:i_ .。o≦ニニニニ ≧o。:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/     |.′
     `¨7ニニニニニニニニニニニニ ≧o。:i:i:イ∨



.



122◆gKNcHiCsig2016/12/31(Sat) 05:56:04 ID:d2d1b6ff


       ____
     /_ノ  ヽ、\
   /( ●)  (●).\
  /   (__人__)  u. \       えぇ…(困惑)
  |ni 7   ` ⌒´    . |n
l^l | | l ,/)      U  l^l.| | /)    確かに、アサドの議論じゃいわゆる「イスラーム原理主義者」と「敬虔な信徒」の区別が出来ないけども
', U ! レ' /      . . | U レ'//)
{    〈         ノ    /
..i,    ."⊃    rニ     /
 ."'""⌒´       `''""''''



            ,.....::::::::: ̄ ̄:::::`ヽ、
           /-、::---:、:::::::::\:::::::\
            ,.:´::::::::::::::::::::::::\::::::::::\:::::::ヽ
        /:::/::::/\::::::ヽ::::ヽ::::::::::::ヽ:::::::.
        .':::::|:::/   \::::∨:::∨:::::、::|:::::::|_
         |:::,::|/__     ヽ::{、:::::∨:::{Ⅵ::::: | `ヽ
         {:イ::|'  `    イ}´\::∨:|:::|::イ:|   '
        从{ィ雫ミ、    ィチ雫ヽⅥ:,_::::|::| 、/   そうなんです。そこは批判できてもそれに代わる新たな理論をうちだせてないのが
           |. 、Vリ     V(ソ ノ':::::|) }:|::|ー'
           |::      ,       /:::::|ノ::|::|      今のイスラーム研究なんです。
           |人    _  _  ィ{:::::/_}:::|:::.      そのため、ゲルナーやアサドの議論を援用している研究はたくさんあります
           人::::>.. _``「Yヽヽ='|::/イハ:j::::l
          ∧::}`┼╋+ヽ/\/Y/╋┼}:::::|     問題があるにも関わらず…ね
          〈╋`┼╋┼{´{_/∧/⌒ヽ::::|
          / 「>、ー― ∧     '.    }::|
        ,: |/r、//> 、 ∧     ,   |::|
          l  |/| Y 7ア/// ∧     ∨  ,:/



.


123◆gKNcHiCsig2016/12/31(Sat) 05:58:58 ID:d2d1b6ff


               _ _
           ,....:::::´:::_ヽ::::_::::...、
         ,.:´,..::´::::::::::::::::::::::::::::`::ヽ、
          /:::/:::::::::::::::::::::::::/、::::::::::ヽ::ヽ
          ,::::/:,:::::,:::::::::/::/:/  ヽ::、:::::∨::.
     ,...---|:::|:/:::/:::::::/::/}/   }:∧:::::|::|:{
    {   ,.|:::{':::/::::/⌒/'    ⌒∨:}::|リ
    \,  |::r∨:::イィ斧ミ、   ィ斧ヽ}:,::/'
      乂 _;::{ Ⅵ:| Vり      Vリ 'イ|「      まあ私がこの話をしたのは
         /::乂ム:::}       '     ム}
         ,:::/:::/:::}::|::.、    ,.,  イ:::|      二元論の問題を指摘することで、並行イスラーム論の問題も浮き彫りにし
      /::/:::/:::::j:/::::|>    イ::::l::∧
       /::イ:::,::::::/ ̄ ̄ ̄ ̄`´ ヽ|:::/イ:::::ヽ    思想的な系譜として、イスラーム研究の流れも汲んでいる事を示したかったので
     /' /::::/ィ 乂┼╋┼╋┼╋}'≧- 、::::}    これ以上の議論は避け、まとめに移りましょう
      { {::::/∧  ヽ╋`¨¨¨╋┼╋ノ  Ⅵ
      | |:::{/  \  ` ー r----- ´   }'
      { |::::|    ヽ     |      ∨ |
      Ⅵ      l     |={_}=    }  |
       |     ,     |       ,:  |
       |      {     |        {
       |      |     |={_}=     }  |




     ____
   /      \
  / ヽ、   _ノ \
/   (●)  (●)   \    お、おう……
|  U   (__人__)     .|
\    |i||||||i|     /   (並行イスラームなんかより、よっぽど大事な問題じゃないのだろうか?)
 / __` ー'
 (___)


.


124◆gKNcHiCsig2016/12/31(Sat) 06:06:11 ID:d2d1b6ff


まとめ

1:中米社会研究として利用されてきた大伝統/小伝統をグリュネーバウムがイスラーム研究に持ってきた

2:グリュネーバウムの議論と彼の後継者たちは、それを公式/民衆という風に捉えた。
これは並行イスラーム論の公式/並行イスラームに相当する概念である。

3:二元論は「技術の発達により公式/民衆の区分が成立しなくなった」「イスラームの動態を捉えられない」の2点で問題がある

4:これを解決する方法として、ゲルナーの「振り子理論」とアサドの「言説的伝統」が生み出された。

5:しかし、この二つの理論においても「イスラームの動態を捉えられない」と言う問題は解決できていない。


   .  -‐:::::¨¨`´ ̄¨¨::‐-..、
  /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:\
//:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.\
:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ハ:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヽ
:.:.:.;.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./:.:/  マ.:.`:.:.:.:.、:.:.:.:.:.:、
:.:./.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:/:.:./   マ:.:.:i、:.:.::.:.:.:.:.:.:.:.
:.:.:.:.:.:.:./‐-:,∠/:.:/     マ;.l__マ:.:l:.:.:.:.:.:.l
:':.:.:.:.:/:.:./ //`     '´V マ:.l.:.:.:.:.:|:.|
:!:.:.:./:.,ィz≠=t、      ,ィェz、Ⅵ:.:.:.:∧l
.|:.:/:Kく _)圦i|ヘ    ィ_)圦!¨ヾ|:.:.:./ /
:|/:.:∧ ヽ弋ニノ     弋ソ / j:/        ということでまとめると以上です。
/!.:.:.:.:.        `     イハ
:.:!:.:.:.:.i                 l:.:.:.!        特に大事なのは2の点と3の点です。この点は並行イスラーム論にも
__!:.:.:.:.!、     r'⌒      /!:.:.:l        関わってくるので覚えていただければ幸いです。
f 、:.:.:!ノ\     ` ノ    /:.:!:.:.ハ、
、  ヽ:!ヽ   ‐-   __, イ´ ̄ヽ!ノ:.i.:.
,(   ` `、   /   | 〉;';';i;';';';';ハ:.:l:.:.i
__、     、 ノ     } 〉;、';!;';';'/;'i:.:!:.:l
:/:(      ノ¨ヽ   ノ丶;';';l';';/;';';!/|:.j


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125◆gKNcHiCsig2016/12/31(Sat) 06:08:35 ID:d2d1b6ff


レドフィールド.1960.『文明の文化人類学 : 農村社会と文化』 安藤慶一郎訳, 誠心書房.

von Grunebaum, G.E.1955.Unity and Variety in Muslim Civilization. Chicago: University of Chicago Press.
(グリューネバウム)


                       ,.   二二二丶、
                        / /           \
                      / /       }     \
                   /ー/          / \       ,
                  /|ー;       / /    )ハ    ′
                ノ(_/|ー!    /⌒メ     '⌒ ,   l|
               {   |;|l /〃テhミ、   ィhミ、}   从
               {\ | {乂| 从t::り      tり 从/
                   \__八\|  \.:.:.:.    , .:.:.:./|ノ      それでは最後に文献紹介に移りましょう
                    //  八   :.  、_,    ノ |       まず二元論の発端となったレドフィールドとグリューネバウムさんの本です
                  //,;     \ }ト   _,,. イl| |
               // ,;     \)八   {ーrヘ丿人       前者は日本語も出ていますので、大学図書館に行ってみはどうでしょうか?
             // .′  /⌒ Yニ\__ノニ人(  :,          ノ)_
               〃  ;   ; ⌒丶 } |(⌒(_艾_) )}( 八      /ノニヽ}
              |l  |  i {    ノ人\_〈八〉/ノ Y ^,     / (r、ヽ}ノ
                  、 |  | :,     { `ー―‐ ´  |  L    ;    /
                  \|  |  ′    ,           ノへ、 } / / ̄
               乂八  } \ ′   /|  / 二Y/  /
                  )ハ|    \:,  / ノ_,ノ(   -、}    /
                     |   /⌒ニ=‐ ⌒Y )ノ(ノ   /
                         \__           |  ) \_/
                          )ー一……ー=ミ _八



.



126◆gKNcHiCsig2016/12/31(Sat) 06:14:43 ID:d2d1b6ff

el-Zein, A.H.1977. "Beyond Ideology and Theology: The Search for the Anthropology of Islam" Annual Revie
w of Anthropology. (6): 227-254.
(ゼイン)

al-Azmeh, A.1993. Islams and Modernities. London: Verso.
(アメズ)

Waardenburg, J.1978. "Official and Popular Religion as a Problem in Islamic studys" Vrijhof P. H. and J, Wa
ardenburg (eds.) Official and Popular Religion: Analysis of a Theme for Religious Studies The hague: Mouton Publishers.
(ワーデンブルグ)

大塚和夫.1989.『異文化としてのイスラーム―社会人類学的視点から』 同文舘出版.



                --‐‐/' ‐‐-
            ./    ソ--     \
           ∠‐       '''''''''' .、   \
         /              \ 、 ヽ
        /                 ヽ ヽ亅
        /        /1      、    ヽ‐‐ヽ ̄ 7
       /     /  /  、      `、   1. │``
       .|   ../ /!  /   '、 、 卜   ヽ  l ,/〉ヽ
       .|   .j_./_L,/    、 ヽ-┼-  |  │/.∧ ヽ
       |│ .|レ  l/      ヽ|`ヽ! \ .| /」/ .∧ /   お次は二元論を展開させていった学者さんの著作です。
       | ヘ │ョョョョョョ、    .ェョョョョョョヘ│/‐!'ヽ/ .∨    大塚さんは非常に有名なイスラーム学者です
        ││ .|::::::「゙     .|:::::::|  ソ1/  l  │    アマゾンでも売っていますので、比較的容易に入手できます
         ヽ|.゙!  ゝ_/       ヽ_./   !/|  ./  │
         │ヽ               !  |イ│゙、 │    残りの三つですが…ゼインさんはタイトルググってみてください
    _..--- 、 1 ヽ           U 丨 ,' | │ ヽ  |    PDFで読めます。英語が苦手な人でも翻訳に突っ込めばある程度は分かるかと
   '´    ´゙1ヽ  |\    ヽ/   / │ / \|  ヽ |
          l ∧l/丶 ..,___,.. '´   !/  :''/\    |    残り二つはやや入手が困難です。
    ''-      ヽ‐7 l   ヽ _丿  .___/゙  _.//  へ  |    お近くの図書館からイスラームに強い大学図書館で取り寄せしてください。
     ^'''' _,,........'....l,,_ `t   \   /  ___ノ/ / │ 
      ヾ.⊆二二''‐斗゙''1   人´  /  / /   /


.



127◆gKNcHiCsig2016/12/31(Sat) 06:17:55 ID:d2d1b6ff


ゲルナー, アーネスト.1991.『イスラム社会』 文化人類学叢書 宮路美江子・堀内正樹・田中哲也訳, 紀伊国
屋書店.

アサド, タラル.2004.『宗教の系譜―キリスト教とイスラムにおける権力の根拠と訓練』中村圭志訳, 岩波書
店.

Asad, T.1986. "The Idea of an Anthropology of Islam" Occasional Papers Series, Center for Contemporar
y Arab Studies, Washington D.C.: Georgetown University.


                 ____
              ,...::::::_::::::::::::::`:::..、
            ,..:::´ ̄::::,::::::::::`ヽ、:::::::::::::ヽ
           /::::::::,::::/ヽ:::::::、:::::::\::::::::::::',
         /::/:::/:/::/   Ⅵ:: |::{:::::::::\:::::::::
        ,:::,::::/:/-/、   {::{斗ム::::::::|:::|::::::::|、
        |::{::::Ⅳ _{      ヾ \}\:::}:::}::::::::}_ ヽ     続いては一元論的な解釈を試みたゲルナーさんとアサドさんですが
        {:∧:::l,ィ雫ミ、    ィ雫ミ, Ⅵ/-、:::, \)
          从l ゝVソ      V(ソノ /::}'/ ,::::|   〉    どちらも、翻訳が比較的近年に出されているます。
          /:::.    '        /:::/_ノ:::: |   {     ただ、アマゾンでは非常に高いです
            {:::人    、__,    /:::/::::::::::Ⅵ\_ノ
           |::/ |::::...     イ{::/:::|:::::::::::\ }    国立国会図書館や大学図書館に行けば、あるので
           |:{ 「 ̄┼`´╋┼ 从-、:::::::::::::::::∨    無料で読みたい場合そちらに行きましょう
           ゝ} 乂╋┼╋┼╋┼╋ 、::::::::::::::::.
         / / \╋┼╋┼╋イ ∧:::::::::::::::}
           Ⅳ    /` ー―― ´ /  ,::::|:::::::::|
         ,:′   l{={}=     ,     |::::|:::::::::|
          {    /      /    ,:::::|:::::::::|
         |     ,′       /    /::::/::::::::/
        :    〃={}=    ,:      /::::/::::::::/
          {   {l       /    /::イ::::::/
          ∧   ||     /    /´/::イ
       ,   \ l{     /    /  ̄´
        /    ` |!   /    ∧
     /     ∧  /    /  \


.


128◆gKNcHiCsig2016/12/31(Sat) 06:23:25 ID:d2d1b6ff

Zigon, J.2008. Morality: An Anthropological Perspective. New York: Berg.
(ジゴン)
Schielke, S.2009. "Ambivalent Commitments: Troubles of Morality, Religiosity and Aspiration among Young E
gyptians" Journal of Religion in Africa 39 (2): 158-185.
(シルケ)



              _ -―………―-
              ´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:`:..
        , ―― 7:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:...
.       ∧`¨¨¨ハ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:. ,
         ∧xx..′'..:.. /.:.:/.:.:.:.:.:.:.::.:. ハ.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:′
         ∧x/.:.:.:..:'/./.:.:.:. .:.:.:/.:.:′ |.ハ.:.:.:.:.:.:..l
.       〈xxxj八__/.:.:.:.:.:.:.:.:.:///   リ {.:.:.:.:.:.:.i|
        `¨.′:{ |.:.:.:.{ ィ斧ミ          |.:.:.:.:.:.:j{
         /.:.:.八.|.:.:.:.| Vソ     ィ斧ミi}.:./.:.:/
         .:.:.:.:.:.:.:.:|.:.:.:.:,        Vソ |./j..::′   最後に、アサドの議論を政治的なイスラームを運動を捉えられないと批判した
.        ,.:.:.:.:.:.:.:.:.ム.:. ∧     '      ム.:/: |    ジゴンとシルケさんのものです。
       /.:.:.:.:.:.:.:.:.:.〈 \.>  `  ´  イ.:..i|.:.:...
.      /.:.:.:.:.:.:.:.:.,-.{ \ \{   ̄ ̄ ̄   ).:i|.:.:.:.:.    シルケさんはタイトルググってみてください。PDFで閲覧できます。
      //.:.:.:.:.:.:. /  ゝ _ー―=ニ≦   _ イ:.八.:..:.:..
      .′|.:.:.:. /     、{`ー―――≦.  '  |.:.:.:.:.:..    ジゴンさんはアマゾンで一時的に在庫切れするほど人気がある本ですが
.        |: /.  '.    |     ⊆ニニ⊇ ' |.:.:.:.:.:.|    kindolを持っていれば、すぐに見れます。
      /     '     '.        '.   l.|.:.:./|.:{    そうでなくても日本円で3000円程度 お値打ち価格ですので買ってみても良いと思います
     /     /:.'.     ,        '.   リ / 八     まあ図書館にあれば一番安く読めますがね
    ′.   /.:.:.:.: '.    l     ⊆ニ⊇  i|{      
    l    / `¨¨¨¨¨'     |.        |   「` ____
    |   {       '.   }        |   |      7
    |    、.      '.  八         |   |、     〈
   八__ ≧      '..〈.         |   | `¨¨¨¨¨¨
                ∨      ⊆ニ⊇ ,
              /         |   ′
             /.             |.   ∨


.



129◆gKNcHiCsig2016/12/31(Sat) 06:27:49 ID:d2d1b6ff


                ...:::::::: ̄ ̄ ̄ ̄:::::...
             /:/:::::::::::::::::|:::::::::::::|\:::\
         r― /ー/:::::/::⌒::::::ノ \:::⌒ ∨::::
         {ニニ|ー/:::::/ }ノ }/   ∨__  И::::j
.        )ニ|ー!:::ィV/(  )メ  〃( ノミメ |/
         {ニニ|::::|::{  {/////}   l////}   |::|
         ( |::{  乂 ⌒ソ   乂⌒ン   |::|   ということで 
         |ヽ|::::ヽ      (__,、__,      L|   1話:イスラームの本質を巡る議論 グリューネバウムの公式/民衆イスラーム論を手掛かりに終了!
         |:::八::::}                ノ|
         |:: / ∨ >‐-   _ --‐< |:ノ   次は2話:ソ連におけるイスラーム研究ということで
         |:/ /⌒\  ______    |:|   ソ連におけるイスラーム研究とはどのように行われたのかということをお話しします。
         |′しuu-‐  ̄    _ノ--、|:|   現代でもソビエト時代のやり方で、研究している人がいるので知ることは大事です
         | {         /     ノ::::|





               ____
             /      \
           / ─    ─ \
          /   (●)  (●)  \    ……今回は理論も理論で 背景的なところだったから
            |      (__人__)     |    わかりにくい所もあったと思う
          \     `⌒´    ,/
          /     ー‐    \    だかわからないところは質問してくれると、ありがたいお


.



130◆gKNcHiCsig2016/12/31(Sat) 06:30:38 ID:d2d1b6ff
1話終了です。
ソ連のイスラーム研究編終わったら
簡単にでも旧ソ連ムスリム地域の歴史でも…と言う予定ですが未定。

理論の話で平坦なので聞いててつらい所もあるかもしれませんが…がんばります


131普通のやる夫さん2016/12/31(Sat) 06:59:32 ID:c0ee963b

こういう知的好奇心を刺激するスレはありがたい


132普通のやる夫さん2016/12/31(Sat) 07:39:37 ID:9ddeca74
AAでやる必要あるんか?くそつまんない


133普通のやる夫さん2016/12/31(Sat) 07:55:38 ID:341befba
乙でした

学生時代の講義を思い出す…
「比較的容易に入手できる」のハードルがよく分からなくなってきました


134普通のやる夫さん2016/12/31(Sat) 09:41:47 ID:ac692478

こういう普通に生活していくだけでは特に使わないことを学ぶスレほんとすこ
公式のイスラームの知識ってネットからはどこで入手するの?
イスラーム系国家だと官公庁のイスラーム用HPとかあるんじゃろか


135普通のやる夫さん2016/12/31(Sat) 09:52:30 ID:46aa314e
二元論は現在のイスラム社会に合わないから問題らしいけど
過去のイスラムに限定して語るには有効って考えられてるの?


137◆gKNcHiCsig2016/12/31(Sat) 11:02:02 ID:d2d1b6ff
>>132
ご指摘ありがうございます。
このご指摘をもとに、もっと読みやすく面白い作品を心がけます


>>133
大学図書館・国立国会図書館に行けばどうにかなるラインは
比較的容易ですね……

そうじゃない外国語文献はそうではないと個人的には判断しています


>>134
いわゆる公式イスラームに属し、政府と協力してイスラームを管理しているというムスリム宗務局があります。
これについて、ソ連時代には4つだったのですが、今では分裂して数も負えない状況です。
一例として、以下の4つサイトを挙げておきます。ただし、どれも英語ですらないので翻訳サイトにぶち込んでも変な訳が出てきますが…

カフカース・ムスリム宗務局
ttp://qafqazislam.com/(アゼルバイジャン語)

ロシア中央・ムスリム宗務局
ttp://www.cdum.ru/(ロシア語)

タタールスタン・ムスリム宗務局
ttp://dumrt.ru/(タタール語)

カザフスタン・ムスリム宗務局
ttp://old.muftyat.kz/(カザフ語)


>>135
難しい質問ですが
少なくとも近代(ここでは18世紀後半以降とする)以降のイスラーム社会に適用できないと考えるのが普通のようです。
それ以前のイスラームに限定してとなると、少なくとも問題点1の技術的な問題が発生していないので、適用はできなくないです。
ただし、この議論を過去のイスラームに積極的に適用しようとする議論はあまり見られないようです。



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