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2018.7.11 修正省きます

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やる夫が葉隠武士になるようです 幕間10

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595葉隠 ◆Zr4xz82y3k2010/02/02(火) 00:33:27 ID:C6trq1U2
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 ̄ ̄| | | |___ \.....::::::::: :::,/  カチャ     .;.;.;.;.;.;.;.;.;..;
  .o |└┴─┬── /      ヽ    カチャカチャカチャ .;.;.;.;..;.;.;
  °|     /⌒| ̄ __,       i         タンッ  .;.;.;;.;.;.;.;
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |      |              .;.;.;.;.;.;
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/     ノ    カチャカチャカチャカチャ .;...;.;.;.;.;
             |  _/ ̄ ̄ ̄|       パシッ タン .;.;.;.;.;.;.;
           _|  | ̄| ̄| ̄               .;.;.;.;.;.;
          (___) |_|



               __
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 ̄ ̄ ̄| |     /ゝ  ...::::::::::.\
      | |    ( ●)   ...::::::::::.\
      | |   (人__)    ...:::::::::::::: |      今回は凄惨な話ばかりでした。
      | |.   \、  ......::::::::::::::::::/       中野杢之助、斎藤権右衛門、大野千兵衛・・・・
二二二 」 _ _ ゞ    ...:::::::丶
─┴┐ ⊆フ_)__./     ┌ヽ ヽ┐
二二二二二二l  /      |  |   | |
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  |       /  __,    ノ  |─l
  |───/  /lニ/   /二ニ luul.
  |    ___|  |  |   |_|.
 └─(    )(ニ|   |./二ニ)
      ̄ ̄  /   )
            `ー ´


596葉隠 ◆Zr4xz82y3k2010/02/02(火) 00:34:09 ID:C6trq1U2

葉隠にある逸話には、現代の感覚からすれば無駄死に、犬死と言われるような犠牲者が数多くみられます。

当事者だけならまだしも、まわりに居る人間まで巻き込むので、余計たちが悪い。


         ____
       /   u \
      /  \    /\
    /  し (>)  (<) \
    | ∪    (__人__)  J |  ________
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 |    l                 | |          |


江戸時代の旗本の逸話を紹介しましょう。


597葉隠 ◆Zr4xz82y3k2010/02/02(火) 00:34:50 ID:C6trq1U2

(聞書10の126)

『江戸で旗本が四、五人集まって囲碁を打っていた。




        / ̄ ̄\
      /       \      ____
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       |::::::::::::::    |/  (●) (●)   \
     .  |::::::::::::::    } |  (トェェェェェェェェイ)   |   ……オシッコ
     .  ヽ::::::::::::::    }  \ \ェェェェェ/   /
        ヽ::::::::::  ノ  | | |           | | |
        /:::::::::::: く    | |         |  |
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598葉隠 ◆Zr4xz82y3k2010/02/02(火) 00:35:38 ID:C6trq1U2

一人が厠へ行っている間に口論が始まり、燈篭が倒されて部屋が暗くなった。

       /´〉,、     | ̄|rヘ
 l、 ̄ ̄了〈_ノ<_/(^ーヵ L__」L/   ∧      /~7 /)
  二コ ,|     r三'_」    r--、 (/   /二~|/_/∠/
  /__」           _,,,ニコ〈  〈〉 / ̄ 」    /^ヽ、 /〉
                (__,,,-ー''    ~~ ̄  ャー-、フ /´く//>
                              `ー-、__,|    `"

    (⌒)    (⌒)                   / ̄ ̄\
     |||       |||                    /\  /  \
     _____                  |・   ・    |
   /.:┘└::::::::::::::::::ヽ                  |(人__) @   |
    |.:::::┐┌ ^Y⌒ヽ::.|                 | ⌒ ´     .|
    |::::::::ゝ ノ^,  ^ヽ |                 .|        |
   |::::::( ((・) ((・) |                 ヽ      イ`>- 、__
   (@  ::::⌒(__人__)⌒)                  ヽ_  ::;' ,' `ーf´ ヽ、
    |     |r┬-|  |                     /::r':::::l ,'   i  =- ヽ
    \      `ー'´ /                    i .lト;:::::l ヽ   i、 ー-丶
 ,,.....イ.ヽヽ、___ ーノ゙-、.                    L_l./:::::'.__」 、ヾ .、  `\
 :   |  '; \_____ ノ.| ヽ               __ .」ノ':::::::::ヽ ヽ   `ト、   ヽ
     |  \/゙(__)\,|  i            ,.r'´/ー‐--‐'´ヽ'、:::::::::::ヽ '、   l  \   ヽ
                          /  ,'        ヽ!:::::::::::::ヽl    トく^´ヽ-、 ヽ\
                            /  /        /:::::::::::::::::::ヽ、" l\ヽ"''`i.  '、 >
                             ヽ /      /〈;;;;;;;;;;;::::::::::::::::ハ ;!  `'   l   ヽ
                                /_,r'´rー 、^ヽ、:::::::> l、      !.   '、




     _____              //
   /.::::::::::::::::::::::::::.ヽ             //
    |.:::::::::γ⌒Y⌒ヽ::.|          //
    |::::::::/ ⌒  ⌒ |        //
   |:::::::〉 (  ̄) (_)|     //..        _  /し'i     _,,..、        ,.、
   (@ ::::⌒(__人__)⌒i从//      ,r'⌒''"´  j /  /    ヽ `ー、    / ア
    |     ゝ'゚   て   そ      /     ,く(   {      ヽ、  'l  / /
    \    。≧ そ    ,ゝ        /  ,,   ,イ l|  /        `ー',/  /
           /. r^'゙i`゛        ./ // / l l|  _」            /  /´
          //             / / / / l  lレ′           「  /
        //            ."′/  ヽ レ、ゝ             `''"
      //                ./ ハ ヽ、 
     //                    ./ /  ヽ  {
                       l /   ヽ-'
                        .レ′


そのあげくに斬り合いが始まって一人死んだ。


599葉隠 ◆Zr4xz82y3k2010/02/02(火) 00:36:57 ID:C6trq1U2

騒ぎを駆けつけて戻ると、

                    | |  ______
                    | | /       \
                    | |_  (● ) (● )\
                    | |_) (トェェェェェェェェイ)i| グヒ
‐-、                   | |(⌒ヽ \ェェェェェ//
:::::::ヽ、                | |:::ヽ  、::::`ー ' ::::<
::::::::::,ヽ                 | |:::  ヽ __    ノ
\:::::::)                 | |
  \ノ                 | |




  |┃            ____
  |┃ 三       /      \
  |┃        /         \                 「みんな、落ち着いて欲しい。
  |┃ .      /   (●) (●)  \
  |┃ 三    |   (トェェェェェェェェイ)   |               なんでもない。
  |┃       \  \ェェェェェ/   / グギギギ・・・
  |┃        /ゝ    "`   ィ `ヽ.                この座はそれがしが引き受けた。
  |┃ 三   /              \
,⊆ニ´⌒ ̄ ̄"  y           r、  ヽ             さぁ、部屋の明かりをつけてくれ」
⊂二、 ,ノ──-‐'´|              | l"  |
  |┠ '       |              l/'⌒ヾ
  |┃三        |              |ヾ___ソ


その場は沈静し、部屋には明かりが戻った。


600葉隠 ◆Zr4xz82y3k2010/02/02(火) 00:37:20 ID:C6trq1U2

すると、厠へ行っていたものは、突然、斬り殺した男に斬りつけた。


       ┌─┐[][] /〉.,┐◎
         ̄/〈   // | |
        く∧〉 〈/  .|_」     「7 「7
            ...,!  ,! [][] 「| レ .レ__ ヽ.ヽ         ;;゛'';;; ゙'・,
   / ̄ ̄\    ..,!  .!   ノノ O O   \ .ヽヽ             ''゛;;∴
 /     ⌒   ...|  │   ./         \ . ヽヽ            ゙'・,
 |       ◎   │  .!   .' (●)       \ .ヽヽ         .' '∵゛;;  '' ;;・゛;;
 |    @ (__人.    |   ! ..ェェェェイ)          |   i i .'゛;;          ,,,
 |       | | |.    |   .! ....ェェ/        /   .i i .'゛;;゛'';;;∴∵゛;;;;   ;;   ゛;;
 |      `⌒     l    !  `l         〈      i i           .;;・゛∵ ' '゛;;∴,, ''
 ヽ        }      l    l   l  r  、  i  \    l !           ;;  '' ;;・゛;   ;;゛゛・;;
  ヽ     ノ     │   l   |  ヽ  ヽ |\ \    l|    .;;゛' ';;;∴       ;; ;;  '' ;;・゛;
   /    く       !    l   |   〉  〉 |  \ \ /\
   |     \     .!    .!  |  /  / ハ ≦(_ノ]二二フ
    |    |ヽ、.       !    .! / (_ノ ノ 三    ..__―_____
                l   ..l,    /\    三    ―― ̄ ̄___ ̄
                l (  .l, <´    \   .三 ....__―_____
                 l  \  l ヽ     \   .三   .__―_____
                 l.   >.l  }      ヾ   .三 ...―― ̄ ̄___ ̄
                  l. ゞ、_.l´        }  三  ...__―_____
          .          l    .l,        し´


601葉隠 ◆Zr4xz82y3k2010/02/02(火) 00:38:04 ID:C6trq1U2



     , (⌒      ⌒)
   (⌒  (      )  ⌒)
  (             )  )
    (_ヽ_ハ从人_ノ_ノ
          | || | |     チュドーーーン
       ノ L,l ,|| |、l、
       ⌒:::\:::::/::\
      /=⊂⊃=⊂⊃=\
     /    (__人__)   \    なにをするだぁーー!?
     |       |::::::|     |
     \       l;;;;;;l    /l!|
     /     `ー'    \ |i
   /          ヽ !l ヽi
   (   丶- 、       しE |    ドンッ!
    `ー、_ノ       ∑ l、E ノ >
               レY^V^ヽ


603葉隠 ◆Zr4xz82y3k2010/02/02(火) 00:39:48 ID:C6trq1U2


       ____グギィ…
      / ,r―ゞ  \
     /  !〈-・;);!   \        「俺の武運は尽きた……
   /    ''| |^''  r―、 \       喧嘩の場に居合わせず、臆病者として切腹になるだろう。
   トェェェェェェェェェェイ |>;・;):〉 |
   ヽェェェェェ, ,ェ/'ヶ=| | /       そうでなくても、厠へ逃げていた、などといわれれば弁解もできない。
   /   | |     | | |
  (_⌒)        ||
    l⌒ヽ     _ノ |
     |  r `      )__)
   (_ノ  ̄ / /;
         (__^)




      ゝヽ,八/::そ/  8|\ そ::\ l/ノ、
        /::そ/ :   0  \そ:\
      ,--- ,/   :   :    ゝ,--,,>、
  ,r'ニニニヾヽ/                ヽ//ニニニヽ、
 ("´ ̄ ̄ヾ))     _____   ((/ ̄ ̄`゙`)
 |   ィ,-、_ノと)'   /       \  (つ(,,--、ア|!    ひとり恥をかいて死ぬくらいなら、
 i|  <___イ_/  / (  )、  ,(  ) \. \Y____> |!    相手を斬り殺しておこうと思い、このようにいたした」
 .ヽ、  ' (  /   `゙トェェェェェイ'"   \ / `  /
   \  \l     i|    |!     l/  /
  l|l  \   \  、ヽ,/⌒ヾ/、;,   /  / |l
      \  ヾ   `ェェェェ'´J  ィ    /   i グァーー
         ヾ、    ``"´       /
    ゚   |!  Y           ィ |!  。
    ,.  '  、/               ヾ ´ ’  `
  ゚, i! `| ゜、l!            i|!; ゚ ゜ 。

といった』


604葉隠 ◆Zr4xz82y3k2010/02/02(火) 00:41:13 ID:C6trq1U2

結末は書いていないのですが、この旗本はその行為をほめたたえられた、とあります。



           ____
       /::::::::::::::::\
      /::::::─三三─\
    /:::::::: ( ○)三(○)\
    |::::::::::::::::::::(__人__)::::  |  ________
     \:::::::::   |r┬-|   ,/ .| |          |
    ノ::::::::::::  `ー'´    \ | |          |
  /::::::::::::::::::::             | |          |
 |::::::::::::::::: l              | |          |


死狂いと呼ばれている佐賀藩士ではなく、江戸に住む旗本でこうでした。
もっとも、のちに切腹したと思われますが、本当に人の命が簡単に消し飛ぶ時代だったと思います。

ちなみに、似たような話は唐津でもありました(聞書11の32)


605葉隠 ◆Zr4xz82y3k2010/02/02(火) 00:41:45 ID:C6trq1U2

鍋島勝茂は、どうして大野千兵衛のような無法者を許したのでしょうか。

           __,,,、,,   ,,、- 、
        /´: : : : : `´: : : : :ヽ
     /: : : : : : : : : : : : : : : : : :\
      /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.ヽ
    /: : : : : : :i: : : : :.∧: : :il: : i: : :ヾ: :',
   ,': : : : : : : l: : :/:./ ∨:ハ: :i!: :l: :::::::i
    l: l: i: : l /!/∨   |/ ∨∨!: :::::::l
   レ!: !: :l i´ ̄`'-、,   ,、-'''´` l: :::::ヘ!
    ∨ヘ i | --。--  ,  -。-- /::∧|
      !ヘ∨ゝ       .i     ∧ソ
     レヽi l       }     ∧ノ            /:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.l\:ヽ、`丶、:.:.:.:.:.:`丶ヽ, -、`ー----_..=‐ノ
        レヘ         /ノ            . /:.:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.', \ヘ z≦=_、:.:.:.:.:.:.:/`ーハ\‐ '':.:.:.:.:.:.ニ=
       ∨\  ´ ̄`  / ′           /:.:./l:.:.:,':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ',、_,ィヾ、弋心!`丶、:l  「 ´ }:.:.:.:.:.:.:.:,ゝ
      /i{  \  ` /i               :/  l:.:.:i:.:∧:.:.:.:.:.:.:ト 、:.:.:.:. ', ' 、 ` .ノ    ヾ! <´ } ,':.:.:.:.:./
      /:::::l ヘ   ` ´ ∧\               l:.:.:.l/:.:.:',:.:.:.:.:.:lーァ心:.:.:.:',    ̄        / ' /:.:.:.:.:/
   _,,-''/::::::::l  ` ー、 ,/ .i:::::\、,_            l:.:.:.:.:.:.:.: ',:.:.:.:.:l '、 `ー!`ヽ',           r、ノ}:.:.:.:.:l
-.:":::::::/:::::::::::i   /;;ヘ__!入  l:::::::::\`::..、,,_       .   !:.:.:.:.:.:.:.:∧:.:.:.:ヽ `´ノ              !  .l:.:.:.:.:l
::::::::::::::\:::/:|ヘ /`ヘ::::::::ソ´ヘ i::\::/::::::::::::`i:ー.,       l:.:.:.:.:.:./  ',:.:.:.:∧ ヽ、 -    ,      ,'  レ'ヽ、!
::::::::::::::::/:::::::::i    ∨:/    l::::::::\::::::::::::::i:::::::',   .    ',:.:.:.:/    ',:./  '.       /        ,'      ', __
:::::::::::ヘ::::::::::::::::l     l::::i,   l::::::::::::::ゝ::::::::l:::::::::',       ',:./    `   ヽ、   '' ´_      /  _.. - ''  ̄  l
                                   ′         `ヽ、      _∠- ''           〉
                                                \    /{       , -‐ '' ¨ ヽ_..、
                                                  ` - イ′}  /  , '  _.. - '' ¨  ヽ
                                                    / /  / ,, - ''         ヽ
                                                    ! ′ .//

それを解く鍵は、家光時代の外様大名の置かれた状況にあると思います。


606葉隠 ◆Zr4xz82y3k2010/02/02(火) 00:42:10 ID:C6trq1U2


                               /!, 、
                          ,へ メZ:::::::::::\
               /ヽ.        /::::/::::::::::::_::::::::ヽ:::;}
             ;;/: : : ::|        /::::::::::::/    \::::::::v
          .   {: : : : ::|.       /::ヽ:::/       \:::: ,!
          _    |: : : : : |.       イ::::|::::i′        ∨!              ,.   ,r-‐;=
        /,': : :\: |: : : : : :! :      {|:::::::::::|           !::!           ,..‐'´::`ー'´::::::て_  ,
       {. ': : : : : :凵: : : : : l       ヽ.:::::\        /:::l         ,..-''´;::-ー''::´:::::::::::::::::::::: ̄::
      弋、_: : : : : : : : : : : : ',       ヽ彡\`ヽ、   /:::/,:,:へ::::::_;:::-:''´-ー '´::::::::::::__;;::::::::--:──:---:::::
      _,..イ´: : : : : : : : : : : : : ヽ  :へ::::::_;: }r=`¨-ュ ::::::::: / '´::::`` ニ´_;:::::-‐‐''´::  ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
     /: :|: : : : : : : : : : : : : : : : : \:::`` ニ´7/ `ヽ〈::::::::::::::::,イ__ ::::;;:: --‐、──t-、;:: -── '' ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   /!: : ::|: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : `ー‐'´: : \ ! `゙:::::::::::::K o=、`ヽ-、        .'―- .....,,,_
  〈: : |: : :ノ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヽ:::::::::::::::::/  ゚゙゚` ゚ `゙≧、  ..,,,,゙゙゙'      '''―- ...,,_
    ヽく´: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : __,.::/::: ::`'Y'´::::::__:::::::::``ヽ:::::',   "''ー-..,
   / ::|: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : r'^ ̄:::::::::.:::::.:.::::::::|::.:.:::::::::::::::::::::::\:::::::!        ̄  ̄ ̄ ̄`'::‐-:::.,
    「 ,-'、::: 、: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ノ::::::::::::::::::..::::.:.:::::::::|:::.:.:`::::::::::::::::::::::ヽ:::::::l
   ∨:::::::丶:弋_: : : : : : : : : : : : : : : : : /....\:::::::::::::: :.::::::::::人::::::::::::::::::::::::::::: l /  '''''''''¬-  ., ....,,,_.l
     、:::: ::::}: :ヽニ==========ァ--‐'':::::::: イヽ___/:::::::\____;/:: イ           `゙"''ー-..,,,、
     \___ノヽ.: : :` ̄ ̄ ̄: : /::::::::::::::::::::::::::..........::::|::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::ヾ〈/|
       ,.-'"´:::::/ヽ      ニ::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::|:::::::::::::-‐/, /リ
  _,.-''´..:..::::  /! .\      ::::::::::::::/´:::::::::::::::!:::::::::::::::::::::::i:‐==-‐、;´.:/|
,.-'´...:::...::::::: / l   ヽ      ',:::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|_ ノハ.


当時は武断政治の時代。
絶対的な幕府の力を誇示するために、次々と改易の餌食となっていきました。


608葉隠 ◆Zr4xz82y3k2010/02/02(火) 00:42:48 ID:C6trq1U2

各地の大名は、なによりも取り潰しを恐れておりました。
とくに九州は改易の嵐が吹き荒れます。

                  , ー'"´  ̄ ゙̄ゝ
              /        l
              ../゛            l
      /゙゙゙'i .ゝ            \,,,,..,,/ ゙̄'-、
   .....,,、゙''、⑥`゛`^'ー- -、      ,,,,,,,/       /
   |  `'l"    佐賀 /      /       ③_/
   .\  \   ・  /       |           〈、
   .,,,,,.゙'、  !、 .r'"^.l② .,,,、 ,,,,,,,,!  ., 、、     .`゙゙゙゙´./
   .! `'ッヽ  `ー,,ゝ  l-'"゛    `''"  `i          ゝ-、       ①有馬晴信 (岡本大八事件で連座処刑)
    \ ゝゞ⑤  l,゙,,,,、 .l、          ヽ        /       ②田中忠政 (無嗣断絶)
     ゙'、①  _,..、  |  ヽ, ④      ,/'-、,,、  .,.  _ゝ       ③稲葉通孝 (無嗣断絶)
      !._..-'´ / ⑦/  /       ,./     .`^^゛ ./         ④加藤忠広 (幕法違反で取り潰し)
           ゙'ィ"  l,゙ 、       /         . /          ⑤竹中重義 (長崎奉行の不正発覚)
                  /       !        /           ⑥寺沢堅高 (天草領没収)
              /        .!       /            ⑦松倉勝家 (島原の乱により打ち首)
                /         !      ./
            ノ---- ,,_._____ ."     │
             l゙゙'"      .|         ,ノ
             !        \          |
             |          `'、     ./
             ヽ     .__.    |     .!
              |    ./ `'i   `''-、  ,ノ
             /   / ゙'i'"゛     |  /
        /'''"   ..l  . !    ..... /  /
         \___,   .\ .!   \  `‐′
               `-.... '".,ノ   .,/
               ィ′.. /
               `´


609葉隠 ◆Zr4xz82y3k2010/02/02(火) 00:44:42 ID:C6trq1U2

黒田家は1633年の黒田騒動で一度は改易処分となります
(数日後、藩主黒田忠之は先祖の功績により罪を許されて大名に復帰)


    ヽ/     /:/:./:.:.i:.:ヽ:.:\   ヽ/
  ヽ/ヽ      /ニ/= /i:=.!.=i.=キ.i   / \/
  ∧       ,':./i:.:.:.:{ L:.:」|:.:.:」:.」|:.|     /\ /
          i:.:| ¨ ニ≧ / -― l:.!      ∧
          |:.:ir'´// j  z==、!:|
          !ヘハ//__ノ  、    A}
          ト jハ    F=┐   レリ      わっはっはっは!
          | :.:.:へ  ゝ__ノ /
          | :.:.:| .`j -  イ          ご老中どの、政宗と
          } :.:i:| ...ノ   ' 、         相撲でひと勝負いかがかな?
        , i:::‐´ i一   ー ヾ‐‐‐--、
        ;                  i
        i ,. ハ,--、__       -'ヽ ,; |
       | V\ \  \―/ /_Y  |
       | 《\ \`\ /_/ /i   |
        | 丶,_\ < / / / /ノ   |
        |  「 ̄ >/ /__/_/イ  |
       |  | ̄  ̄        |i   |
       .i    |          ハ   |
       j   /l            | ',  `,
       /   | j          ヽ |   .'
      ,'   |./           ',i    i
      ,    l'        i      i ,   l
      i   /_________', ,   .|
     .|   //_          ___,'、  |
      |   ,'/   ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|   i ヾヽ.|
      |  /    |      |  i, |'- |

        【仙台藩主  伊達政宗】


伊達政宗だって、自分が阿呆の振りをして矛先をかわそうとしています。





610葉隠 ◆Zr4xz82y3k2010/02/02(火) 00:45:05 ID:C6trq1U2

鍋島藩も幕命には従順になります。


 .l゙| |゙| .|゙'|     .l゙.゙l .,,     ,ri、                      l゙゙i、     | |
.|''"゙'''".゙'゙l.| |     .,l゙,l゙ .i、\    .| |            ,,,,,,,irr!'''゙l     ./.,l~     .| |
`゙l|.l,,,,| l゙|r"゙l=i、 .,r=`lirr=lヽ`i、   .| |       l''''~~`,, ,,r!''"    .,‐./      ,| ゙l .,r'''i、
 .l ,iiii、| '!i、.l!i、|  |,,,,,,,,,rrrllll'=,l゙   .| |       ゙l=''''゙|~,'"      ,l゙./`    .l''~, .,レ",r, |
 .l ''''".| .| | | |  ." .|゙'| .| | `    | |         l゙/       ,/.,"      !!'゙| .",i´ l゙.|
 .l l''''! | | .| |.| ,iiiiiiii! liiiii| liiiiiii、  .| |            | |       .l゙ |        / ./  .| |
.|~`゙~~ ゙~|.| | | | |,,,,,,,, ,,,,,,,, ,,,,,,,,|   | |            | |       ゙l,ヽ         ,i´ |  .|.|
.゙| || ||.||゙二,| | |    | | .| |     .| |    ,r、    | |        ヽ.ヽ     .l゙.,l| |  | | .r,
: | レl゙|.~.l゙l゙.|゙ | |   .| |  | |     .| l゙  .,r`,!    ゙l.゙i、          ヽ.ヽ   ././.| |  .| |.,l゙./
: | lll,,,,lll二,!_,l゙.|  .,,i´l゙  | |     │゙'rr!'".,i´     .ヽ.゙''''!i、      .゙l ゙i、   ゙r" | |  ゙l,.~.,/
          / ,/   ´  , '_ !-‐'''''''''''') ./l ../l     i ...l l
         r/ .l  ゙   '''’ _,,,-‐/ ̄.l/ .l ./ l     i  .l l
         .l.!         々' Vヽー--l/'‐、l /l   i  /ll
         l         /'''' ヽ   '..,,,___、l/./   ノ'l/ l'
        l         ./   !       '' /'/' ,/)ノ
        l        /   /          / ,//
        /       丿   亅         ./ /r'
     / ̄ ̄ ̄''' ‐ ,_ /丶   ____        ./ /
   / ̄ ̄ ̄ ̄''' ‐ ,_ \. .l\ ”-ニ⊃    //r'\


日本各地で行なわれる普請に積極的に行い、長崎警護では異国とやりあいます(この詳細は次回に)


611葉隠 ◆Zr4xz82y3k2010/02/02(火) 00:45:35 ID:C6trq1U2

しかし、ただ従順なだけで家は保てるのでしょうか。
加藤家の例がそうです。


        、  〃{   x--、       _
      _>ー` -ゝ、`v'γ⌒} 〉 x、<ヽ:ヽ:}`:>- 、
   ー'フ二> ─ -- / / 、 ,ィレ'‐- `> ; :/: 〉ハ: :j:ト ハ __,.x、
    ´ /> ' 二 ̄ニヾz 、:/ :-‐ : l l {/ /://! ハ }: }: }: l :}
      ケ´: -一:z=ニ: :〉〉:{ー:-ーf :l/!-∠_/ リ  Vハ l : l j
 ,、 f⌒ヽrr┬f´, : ' ; : : ヽ: ト、 ; 、:|ミ'_j,示.、j `  -‐ト|ハ: l:}
/. x 'ニニヽ.ヽ'.イ 〉:/ : : : : : V/f'` ! `゚ー' '^   {.r示 ノ: l ハ
!.:| .     .ヾ、: } ∠ : イ : :ィ{ ハ!、 (、         .' `′/:/!ハ:}
l :l : : . .   :.\-‐ '7,.イ/ {l ヾ { ヽ.j     ___    / ' / リ
ゞ:.、 : : : .   : : .\ ′      `}^人    `¬'` , '
  `ヽ: : : : .  : : : .ヽ_ _/lヽ、j   丶    .ィ
    ヽ : : : . : : :.. ヾ .ーく j jr‐ ' 二 ー`T´`ニ,ヽ
      \: : :. : : : : .  : : //人 7⌒ }-‐_λ`f r`! }
        ヽ.:.:. : : : : : : :.//r.:'´.:ゝ..イ' ´   //: :!|: :`丶、
.        ヽ:.:.:.:. : , : :ーケ.:.:.://.:.:.:}___ .// : :l L : : .  丶、 _
          Vγ´. z'、イ.:.:.:.:.:.:.:.:./ー=ニ: ':' : : : `>、ヽ : . >',.、 :'フ
           ゙,'. , ' ゝ ':|_>. '.ー ' .`丶 `ヽ . : 〃(_ヘ '.ィ7代 Y
           {. .{ .: . .       ( )': : :} } : 、弋三Уく'///〈
.            '. .l : : : : .     . :/: : :/ /: : : :', :   `{ V//∧
          ' .l : : : : : : .  : : : ': : :/ / : : : : ゝ、 : . ヘ ∨/,∧
           j:ヽ : : : : : : : . .:, : :/ / : : : : :ノ  \ : ヘ. V//∧
            { : (ヽ . : : :,.-、l: :/ / : : : :/     ヽ: .ヘ ∨//,ヽ
.             l: : :「:\   :ゝ. ' : { f : : : , '       ヽ :ヘ ヾ.///ハ

               【熊本藩主  加藤清正】


葉隠には、この加藤家改易のさいに起こった出来事が書かれていますので紹介します。


612葉隠 ◆Zr4xz82y3k2010/02/02(火) 00:46:10 ID:C6trq1U2

(聞書4の34)

『加藤忠広が改易となり、家が取り潰されることになった。


            _≦: : : : : : 三V{∠二三: : : : ─<_
          _彡' : : / こ二 Yニミヽ : : : : \: : : : :ヽ
           、_∠: :_彡 ' // ィ⌒ヽ|: :\: : : :ヽ、: :\:\
          // / : : : ///〃: : :∧ : : |\: : : :`ー } | |!
           {彳〃辷彡イ' / // ハ : | い: : ゛、 ㍉辷彡イ | ||
          小レイ/ _」厶斗-! |l: :||| : : :ヽ: : : : : : : :川|
           ,/イ||  ´_土ニ|| | |l ハ ト、\: : \ ヽ 二ノ/ ハ
         / |l jリ r' /fて!ヽ  l |! | _ト、\ : :\_>ンノ
         / ∧Y  、辷_ゾ       ,-三、 \`トミ \<メ、
       _ノ7 /::::}」  , , , `      /f ハヽ `|「>ー‐≦´
      ( / /:::::::::|       /     ヽこソ 〃 |レニVjリ`
      ハレ':::::::::::∧       '  、    , , , `    / K }/
      V:::::::::::::/ィヽ   - 、_         し ∠ノ_/
      /:::::::::::/ |_∧   ` ヽヽ        ∠ニ-' i
     ′::::// _人.:.:ヽ         / 〃    ゛、
      i:::::::/ //:.:.:.:.ヽ」 ヽ __,. -‐ ´ //       l
     |::::/r‐'.:.:.:.:.:.:.:.:./ヽ ___     _ - ' /         l
     |::/ |.:.:.:.:.:.:.:.:.:〃      ̄ ̄_,.-‐'          l
     | | }.:.:.:.:.:_//     __/              l
     、| ヽ__{_∠____/    ______    l

           【熊本藩主 2代目 加藤忠広】


613葉隠 ◆Zr4xz82y3k2010/02/02(火) 00:47:17 ID:C6trq1U2

すると、家臣たちが城に籠城して、徹底して戦い抜くだろう、という噂が立っていた。

【審議中】
    ∧,,∧  ∧,,∧
 ∧ (´・ω・) (・ω・`) ∧∧
( ´・ω) U) ( つと ノ(ω・` )
| U (  ´・) (・`  ) と ノ
 u-u (l    ) (   ノu-u
     `u-u'. `u-u'



        __ ... -‐ 、
    , -.::''.:::::::::::::::::::::..`ー-.、
   /::::::/:::::::;::::::,:::::::::::::::::::::..ヽ.
  イ/::/:::::::;ィ::::/::::::::::::::::::::::::::::.ヽ,
   /::::i::::/.l::/l::ハ:::::,i::::ヽ:::::::i:::::::l
  /;ィ::{:/ー、l/_.!' |:::ハ:;∧:::::l:::::::l         「加藤家と戦うのであれば、
 / |::| テ''ッ、` 丶ー- 、 i;:::|::::::/         うちは間違いなく幕府より派兵を命じられるだろう。
   .|::l    ,   'テ''z、 l:::リ::::::i
   .|/|   /   r.Kヽf''i/'lノリ          さて、どうやって戦えばいいだろうか」
     ハ   `    | .| l .| |ノ
     ,小. - 、   .| .l/././、
 _,,ィ'´.H. ゙..   ,, -'"  ,/   ゙̄'ー、
''´ /  { '  `''r'´    /    / ヽ
 /   ヽ、 ,ィl   イ /     /   ヽ
./  .,ィ^i }_/_/l    |/     ,     i
'.‐'" ヾ{;:::;}::;;/|.   l.    /     |


614葉隠 ◆Zr4xz82y3k2010/02/02(火) 00:48:05 ID:C6trq1U2

すると、老齢で隠居していた成富兵庫が発言した。


           / ̄\
             |    |
           \_/
             |
         /  ̄  ̄ \
        /  ::\:::/::  \
      /  .<●>::::::<●>  \     「籠城はないと思われます」
      |    (__人__)     |
      \    ` ⌒´    /
       /,,― -ー  、 , -‐ 、
      (   , -‐ '"      )
       `;ー" ` ー-ー -ー'
       l           l

    【仕置家老  成富兵庫茂安】


          ..---. ...
       , -‐.': :_: :---` ー-.、
    ーァ´:, ‐ -ァ: :7 ̄l:.ヽヽ‐..\
     //イ: : /: ./.:イ: }::. :}:.}:ヽ:、:ヽ、
    ノ.: .: ./: : lハ:AL_}:/ }::.ハハ::.:}:.ト_--
   ´ 7:::::_|::. : | '┬ォミー'jム_ム}::ハ:「`
     |:.:{ r|{:.. :l   ̄´  {エオハ.ハ{
    ハ:ヽvヘ:リ u       〉 |:/
     Vl:.:T     , ---,  ハ!         「なぜだ?加藤家は武門の家柄だぞ」
      }::ハ、  ( __/ , ′
    /フ´{  \  - /
_ .. イ:::::::{  \  ` ┬‐′
:::::::|   l    \,_ / \
   }    ヽ   ∧ 〉ヽ 〈| \
   ーァ-‐ ヘ_/ヽ.>‐くトj、 ヽ\
   「     l ー ヽ:.__..ハ ∨  `ヽ、
   ヽ     l   }  l| ヽ    ヽ


615葉隠 ◆Zr4xz82y3k2010/02/02(火) 00:49:09 ID:C6trq1U2

「加藤家は武功のあったお家ですが、
今では武勇のものは一人も残ってはおりません」


          '、ー<ヽ^!^ノ >‐ッ              _ ,. ,. _
        )ヽr'7/´`!l´"^'yイ            , ' ^´ _ ,.,. _゙ ' ,
        ミ{^>! 、,!,リ,.:=く`!7           i , "^´  _.-` , !   r、r、,、_
        ,ヘ!. -゚‐ノi ‐゚- !ヘ ,   ,イ      i.{>,、i i/.`ヽ!{    `r-、- へ
      __,. ->ヘ""__`‐_"",ハ7-}`ヽ/ '‐'´‐''"乙/ }. =¬  三 u ! )    \`⌒' }
  _, ‐く:.:.:.:\/ハ. {ー‐一} ハ/ィ` _ _ _,、 , 、 <ヽ{  r`^‐-、  lく.__     ト-、 ト、
 /. \ \:.:.:.`'く. | }ニニニ{ |/::/ /!i´ ̄!l\ト、l`!l < ,>、 「Z二´} ノn:.:/ ̄``Vー-、`ー`-、
./ゝ   ,  `‐、:.:.:ヽ`二Tニ/.::ノ-ヘ!`ッ=<_,>=、'r<:.:`‐、`==='7´/ レイ 〉、 |   `ー-、丿
‐-、   l`‐、  \:.:.`‐,ニiニ/.::/ ,ィ' !{,_@.///@_,「!li `'‐、::`'‐、ェ/.:/ ノ トvヘ V      /
‐-ノ   l  jヽ、 \:.:.ヽ,/.:.;/-ァヘ. '、 iニニニl /  ト-、_ _,L -┼=l´  ,人:..:.ヽ. i.      |
/   ,イ ノ.:.:ノ    `、:::,∠- ヘ. !  ト、l_____{イ. /`>- _\  l l一'´   ヘ;::.:', ヽ.   |
--‐''´ /、/.:.:/    ァ''´    } l-く:.ヽi^i^i/>-{ {   `''ー、ノ ト、     i:.:.:i  ヽ__,ノ
--‐'´八:.:.:.:.`‐、_  (     __,l__」  \:..V.:.:/ l__{,__     ) ∧:.`、    l:.:.:}  }  

    【加藤三傑  左から庄林隼人、森本儀太夫、飯田覚兵衛】


         / ̄\
           |    |
         \_/
           |
       / ̄ ̄ ̄ \            そのうえ、兵糧の用意もありません。
      /   ::\:::/::::\
    /   <●>::::::<●> \         かねてより、人を遣わして探らせておりますが、
    |     (__人__)    |         近頃はぜいたくになって蓄えもないとのことです。
    \     ` ⌒´   /
       ̄(⌒`::::  ⌒ヽ            3年分の蓄えがなければ籠城はできません」
        ヽ:::: ~~⌒γ⌒)
         ヽー―'^ー-'
          〉    │


そういって、兵庫は断言した。

結果は、兵庫の言うとおりとなった』


616葉隠 ◆Zr4xz82y3k2010/02/02(火) 00:50:00 ID:C6trq1U2

自分はこの話を読んだ時、あの加藤清正の家でも、時代がたてば人も変わってしまうのか、と驚きました。
当事者である勝茂公も、そう考えたんじゃないかと思います。


         ___
        / .u   \
      /((○)) ((○))\
/⌒)⌒)⌒. ::::  (__人__) l_j :::\     /⌒)⌒)⌒)
| / / /     |r┬-|     | (⌒)/ / / //
| :::::::::::(⌒) U .| |  |    /   ゝ  :::::::::::/                ,ィュ-‐-、_
|     ノ    | |  |    \  /  )  /              /: : : : : : : : : :`ヽ
ヽ    /    └ー.┘    ヽ /    /               /: : : : : : : : : : : : : : :ヽ
                                      イ : : : : ,ィ ./リ| ト、: : : : : ゝ
                                       !: :/: :,AZ__ |/' >r.、: :N
                                       !'ヽ: :! ―-   ニ| .! .!ノ
                                        _人_l、u.   i .(ヾ| .! iヽ
                                   _,..-'´/:::::| ヽ ~ ,.ネ、   ト、   
                                 r'´:::::::::::::く:::::::|  ノ` =く. .|::ヤ   .|:::`゙ー、
                                /:!::::::::::::::::::/::::::.レ'^YニY/レ!:::ヽz='=i::::::::ヽ
                               /::::::!::::::::::::::::ヽ:::::::|  .〉-〈 /::::::〈:::::::::::::|:::::::::::!


だからこそ、鍋島家は自分の命を惜しむことのない曲者を多く抱えていました。


617葉隠 ◆Zr4xz82y3k2010/02/02(火) 00:50:31 ID:C6trq1U2

百姓の年貢を強奪した斎藤用之助。
その次男で、溝田四郎右衛門を斬り殺した斎藤権右衛門。
隅田川で町奴を斬り、あまつさえ船頭まで口封じをした中野杢之助などなど。


            ト、 |l\
          |ヽ| |i `| |:! ヽト、
        |ヽ!ヾヽ:|:!  |:!: |i Vl
       ド' \ヽ :j:|   |:! !|i i|,
      「ヾ.\ ヾ/⌒\}リべi i!|
      | \ヾ' /    、_,, ヽi|
      |二二〈 ――-、  ,. -l|
.       |==r=iヨ ==。= /=。=|
        |=::{{_H  `二´ ヽ二|                           __
      |==ヾi|   / r_ 」、 l              .           , イ, ''" ,∠-‐ '',Z.._
      ∧:==:ハ / ー―‐一/                     /  ′       ′ ∠__
 _,.  -‐/  ヽ/  ヽ   ''''' / |二._ー- .._         .     /l/             ′,∠,
 _.. -‐|    |ヽ   \.  / |  `¨ ‐-            /         ,.、           /
´   |   |f∧    ,>イ  |              .    ト'  ,.へ.__, ‐'´  ヽ       '7
     ,|    |ji}i∧   /{i}j{|  |                l 、/ u     | _,⊥       /
                                   |`テニ'_┐ iir _',ニ-‐''1     'ィ
         `ヽミメ、 . -‐,=‐               .    ! l=。ミ′‘≦。= = r',.-、   /
      . . .-‐‐ミ i! Y i! 厶イ__                 ! l` ‐;Z..__゙ ーr '´v|.|^!.|   ,/
   ∠..., =‐- i!  i!  i! i! <´                 ヽl/ __-, u  l ij |ノ_'ノ   /
    .ィ´ i!   i! i! i! i!   i! i! ヽ                 ゙T ───- ヽ∧    ∧
.  , ′i! i! i! i! i! i!  i!  i! i!.!                 ,/!  ‐一   /. ヽ  ∧ ヽ._
  /イ i! i! i!ィ i! i./::、 i! ト、 i! i! !            ,, -‐''7 /.!     v  V.    \∧ ヽ. ヽ
  /i!.//i!./::iメi/:::::::,メ、「ヽト、 i! i!j                / / └;┬──'     ,.くト、ヽ i |
  /イ i!/! /==。=、:::::.=。===:i!,...i! |               i  i i l |>、      ,.く.>'l. l. | | |
    j/ j/ i::`:‐:/:::::::: ー一.:´:|ir, }.|             .   | │ l | トニゝ    /ニ/ |  |. | | |
       i:::::/.::::::、   .::::::|Lンii|
         i: `‐――一'.;.::::ハ.i! j;\
           、  ー ..:::::/;  ヽ:{;;;;;;;ト、__
      . -=''7ヘ.....:.:::::/;;; '   j;;;;;;;j;;;;;;;
   -‐'";;;;;;;;;;/;;;;;;ヽ .イ;;;;: '     /;;;;;;;;|;;;;;;;
  ;;;;;;;;;;;;;;;;;;/;;;;;;;;;;;;|:.:;;:::'    /;;;;;;;;;;;!;;;;;;


勝茂公は家中の大身小身と区別せず、いざと言う時のために、命知らずの武辺者を多く抱えるようになります。


618葉隠 ◆Zr4xz82y3k2010/02/02(火) 00:51:13 ID:C6trq1U2

殉死のことも書きましたが、この時代に殉死は多かった。

┌──────────────┐
│                   .....│
│   主君と殉死者の数     ....│
│                   .....│
│   島津義久    15人   ....│
│   鍋島直茂    12人   ....│
│   島津義弘    13人   ....│
│   伊達政宗    15人   ....│
│   島津家久     9人   ....│
│   細川忠利    19人   ....│
│   徳川家光     5人   ....│
│   鍋島勝茂    26人   ....│
│   深堀茂賢    22人    ..│
│                   .....│
└──────────────┘


                   ´ ¨¨ ̄ `ヽ、               入/::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`´ヽ
           ,. ―__ア´          . ‐V              /::::::.:::::..:::ゞi彡、::::::.:::::.:::::::::::::::::::::::::',
        /¨ /   / ./ / / /  /              i::::::::::::::/'´     \:::::...:::::::...:::.:.:::.:::::::i
     _/ ./ //  / /{ ハ ハ  ∧              }::: :.:.:/       `ヽ、:::::::...:...:::::::::::l
    f´   / / / ./ .从 {`リ }  } ミ〈  }              V::::::/  ,-===、   ,==>、:::::::::: ::{
  /⌒   〈 /  { /|/ 行弐  ,' /   ', ハ              /::::::イi  __-、     ,-__ \::.::..::::',
 ./     ∨    |Y  弋{夊癶.j/ r -、{∨              i:::::::;;;;:', イ及tjiト     イ弋tj >/_::::::::::i
. ハ      {ヽ _   〉  `     二 }/              ,'::::::(,ム `ー‐´     `ー''´ Ki}:::::::ノ
. {         .{ /{  ゝ /       i {r外/               ヾ:::::::i、 ',         l    、 /イ´::/
  〉}     }\  { イ            ' ヾ./                 \:::::`イ,    _ _ _   ミ三:::/  ,
. / ハ__∠t  }9.ムj     ` こァ  ハ                 、_ノ::::::::::::\   ー    /:::::::::`-イ
/ /    ハ ',∧}ハ ヽ     ー  , ' ./                  `''=ィ:::::::::::::i> 、  , イi:::::、::::::::, ''´
 /, ―‐ 、 { { | ハ┌  \    イ  |                    `ー‐‐''/|   `´  ハー'' ̄
/     .\', ',- __ハ} ハ /_¨´ _ ノ´        .               /:.\     /:.:.ヽ
        ` vハ `ーrf大 /|T                  , - - 、 __, -'' il:.:.:.:.:.:\  /:.:.:.:.:.tァ、_
          vハー{/ .ハ .v1                /   ー┤     |i:.:.:.:.:.:.:/rヽ:.:.:.:.:.:.:.:i:.|  `''' -t'' ´ ̄ヽ
       }    Vハ 弋沙  vハ            .   /     /i     |ヽ:.:.:.://ハ ゝ:.:.:.:./:.:|     i     ',
      7     Vハ  〕ヽvハ
                                            【老中  阿部重次】
    【老中  堀田正盛】


当時、殉死するべき者と考えられていたのは、主君の寵愛が深く(衆道関係もあった?)側に仕えていたものが
その資格があると考えられていたようです。

徳川家光に仕えていた堀田正盛は、殉死を遂げます。
その後に、阿部重次も殉死を申し出ました。


621葉隠 ◆Zr4xz82y3k2010/02/02(火) 00:52:39 ID:C6trq1U2

これには酒井忠勝をはじめ、一同が必死になって重次を止めようとします。


          _,.、-‐''''"""""""'''ー- 、
        ,、-''゙             ヽ
        /  ,へ     ____..:.::::l
     /    ゙ー' ,、-‐''"´、 、__ 、_ ``'〈
      l     ,.-'゙、 、 ゝ、`  、` `、 ゙:、
     ゙、_,.-'゙ ,小、ミミ、'ー゙ニ'ー`ー`:::`ヾ:ヽ,::';
      リ,  r<,'_゙、`` _ッ=,ニ,、`゛`!::::,:- 、:::::::l        「馬鹿を言っちゃいけない!
      'ハ、、ト (で!>i ´ 、:゙‐'::'  リ ,!/'i l:::::/
.         l  ´ノ 、  `    ノリ > !:::i゙         貴官は現職の老中だろう?
         l  i.. ,...':      /゙,ニ-'゙::::ト、        追腹を切る理由など、どこにある!?」
.         ゙、  r─- 、     / !、:::::リ
          ゙、  l,Z二ノ   / ノ;''"^:、
           ゙、 `二´   / ,.r'゙..:.:.:.:::::::゙:、
        ,、-',ニ\__,.、-'ニr''゙  /゙、:::::::::::.`ー- 、
    _,,.、-''",ィ 「  f" `7´   |゙:、 ゙、/.::::::::::::::.:.:...
  ー''" '''"´  l ハ !        l::::゙:、 ':;:::::::::::::::::::::
          l,' ヾー- ..,,,.. -‐'゙::::::>;'/`ー-- 、,,_

         【大老  酒井忠勝】


622葉隠 ◆Zr4xz82y3k2010/02/02(火) 00:54:32 ID:C6trq1U2

             , ィ''  ̄ ̄ ` '' - 、
           /      _   \
          /\  , / ̄:::::::::`'':: 、 ヽ,
            /:::::::::::V''´:::::::::::::::::::::::::ィァ::,:::Y
         i::::::::::/:::: ::::::::::::::::::::::/ `''-i:::::',
         |::::::::{:::::::::::::彡_''´_    ',::::::',
        ノ:::::::::i::::ィ'' ´_  ̄`''  r-、'、:::::i     「私が死を決意したのは、何年も前のことです。
        /:::::ゞt-、;|  イit:;j>`   ´=. ,':::::ノ
        |:::;;;;;;;|r々  ''ー''´    イtk}レ''´      駿河大納言(忠長)さまが高崎でお隠れになったさい、
        ヾ;::;::ゞ、ヽ ,       i  ̄ ,'        家光公の密命(自害勧告)を帯びて高崎へ向かいました」
        、ノ::::::::::三イ    __    廴i',
        ヾ:::::::::::- イ\   ー.  /::::::ノ
          `ー''-ァ|  > 、 _/_;;;;;;/
            ./:.:.:`''、  ト,
            人:.:.:.:.:.:.:.\iゝ
     / ̄'' -, ''''´.   ',、:.:.:.:.:.:/;;;;;ト、
.     /    ハ     '∧:.:.イ;;;;;;;ヽ `'-<' ̄`',



      \    /:::::::::::::::::::::::::::::/彡-''ゞ::::::::::::ヽ
      /:\  /::::::::::::::::::::::::::::::::/     \::::::::::`、
      i::::::::ア::/:::::::::::::::::::::::::/        \:::::::::',
.       ',::::::::::/::::::::::::::::::::::/      r=== -. ト、:::::::}     「その際に、城主が受け入れを拒否した場合は、
       V::::::{::::::::::::::::::ム===ァ     ,-._ |;;_:::::::|      たとえ公儀に背こうとも、
       i:::::::|:::::::::::::::/´ _ _       行、jマ |/}:::/      一命を捨てて密使の通りにしようと考えておりました。
       |:::::::ゞ::::::::;;/ _ -=-_      ハt_jム. |/:/
         i::::::::::>=vi ハイktj }ト      ` ̄  Vi
        廴::::::ゞ ` `' ー-''´     '、    |:::ミ=イ      このとき、私の命は主君に奉げておりました。
         ヾ::::::\`   ,.       ,   /::::::::/
         、_}:::::::`ー ム    -‐ '   /:;;;;;;ノ
         \:::::::::::::::::::::::ト 、.        イi,:\         一度、主君に奉げた命を、
          /`'- _;;;;;;;;;;;;;/:.ヽ > 、 _//:.:.:.:.i 、       主がなくなったあとで
           /  ヲl   /:.:.:./i   >''´:.:.:.:.:.:/:.:.:>、      誰のために生きながらえるというのでしょうか」
         ヽ   il   /:.:.:.:.|_> ''´:.:.:.:.:.:.:.:.:./''´   \
         V  j   //´入:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/         \
          ト、 /  /;;;;;;;;/ili/|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/       r‐>、


阿部重次の意思は固く、一同は涙を流して見送るしかなかった、とあります。
(『徳川実紀』4月20日の項)


623葉隠 ◆Zr4xz82y3k2010/02/02(火) 00:55:09 ID:C6trq1U2

勝茂の場合、これほど追腹を切る人間が多かった理由は、
そのほとんどが少禄の下位の者たちばかりだったからです。


.   / /  / : /  /: /  /: : : : : : : : \    {: :\     ∨、
  /.:/ /  冫  /: : / /: : : : : : : : : : : : :\.  ヘ: : : \   ヽ>、
 ,ヘ/ /   / /.、: : / /: : : : : : : : : : : : : : : : :\  ヽ.. -‐ \  ヽ  \
:/{:/ /ー .._// : : \| ./: : : : : : : : : : : : :_: :-‐ _ニ.:\. ヽ    ` 、ヽ : : }
' / /l \/`  .、  : : |:ヘ        ;/,. : '´: : : : : \.ヽ      `\: |
 { /ハ  \  〈心、:|: :ヽ     、 //:: : : : : :     ` \_____: :|
 jハ .ハ    `ー 二_>冫    ∨':∠_: : -一 弋:::歹 ̄  _. ' ´ : : |
.   ∨ハ    . . : : : : ::/  ,. : <::::::`:.、.:`ー  .._..  -― '"´  : : : : : |
.   ∨ハ     : : : : : /  / : : : : :`: : :_::`:::..._: : : : : . . .       : : : :| 
    ヽ ヘ     : : /  /: : : : : : : : : : :  ̄:`: : : : : : : :       . : : : : |
     `:ヘ       ./  /: : : : : : : : : : .  : : : : : :           . : : : : :|
     ヽヘ     ./  /: : : : : : : : : : : : : .               . : : : : : |
        ヾ:、   /  /: : : : : : : : : : : : : : : .            . : : : : : : |. /
          、 /  /: : : : : : : : : : : : : : : : : : .          . : : : : : : レ
         У /: : : : : : : : : : ⌒ヽ: : : : : : .            . : : : : : :/:.:.:.
        / ./: : : : : : :_: :-==: : : : : : : : : : .         . : : : : : /:.:.:.:.:.
         / /: :  . :-=ニ_: : : : : : : :            _  . : : : : : /:.:.:.:.:.:.:
      /  _..ィヘ´      ̄ ̄   ー―-----―一'` . : : : : :イ:.:.:.:.:.:.:.:
      ` ´   ヽ                    . : : : /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
             ヽ                  . : : /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.


権右衛門や大野千兵衛などのように、他のものたちも何かしらの罪を許されていたのだと思われます。


624葉隠 ◆Zr4xz82y3k2010/02/02(火) 00:56:28 ID:C6trq1U2

泰平の世なのにいくさ支度の必要なんて・・・・、と考えるかもしれません。
しかし、鍋島藩は気違いであると人に思わせることで、改易も転封もしのぎきったと考えます。


              _, -‐--....、
           /..:::::::::::::::::::::::::::.ヽ
              / .:.::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ
          /..:.:.:.:.::::/:::;i:::::,|:::::l:::::;::::::.ヽ
          l::::::l::::::/l::/ |::/{::/|::;/l::}:;::;::i
          l/i::l:::N`|メ、_|ム|/.,j/レ|::|::ト!
          f^i:::l ''ZTー   ィ'Zト.|::|::レ'^ヽ、
     ,...-',,⌒ゞミ、l::|.      l   l::!Y::::::::::::::.ヽ、
    /::/..::::::::::::..ヽl_      〉   /v':::::::::::ノ::_;;:::::j,ト、
   /:::::::::::::::::::..`ー-、:l、  f===r  ,ヘ:::::;::::::/ ̄ ゙''ヘュ_ノ
   /:::::::::::::::::::::::::::::::;;_ヾ;:、L_,,リ /:>:l/:::/
  ./:::i|:::::::::::::::::::::::::::::::..`''ヾ、ー_-イ, 〉<.|/ _ノ⌒ー-、
  }:::::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..゙ヾ!、!;::|:|,r‐'゙       \
 「::::ヾ|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ヽf     ヽ      \
../::::::::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,-''',ニ,-'"      \    ヽ
/:::::::::::..ヽ;::i:::::::::::::::::::::::::::::::::/ ./ l          \、..  ノ
:::::::::::::::::..ヽl;:::::::::::::::::::::::::::::::| |  ノ     ` 、      ヽ ,イ
:::::::::::::::::::::..ヽ、:::::::::::::::::::::::::::| l i´       ` 、    ノ ヾ|
:::::::::::::::::::::::::::..`ヽ;::::::::::::::::::::| | |    、     `'rイ  ,ノ
::::::::::::::::::::::::::::::::.::..\∩:::::::::| l\      `=、..__,ノ   ̄
:::::::::::::::::::::::::::::::::l::::::::i\∩:/  | ヽ、_    ノ
::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::|  \:!`ー、  ,,=''::::`、'‐-'゙


勝茂公は、どんなに蓄えがカツカツになっても、
1万人の兵で7年は戦えるだけの予算をあげておりました。


625葉隠 ◆Zr4xz82y3k2010/02/02(火) 00:57:18 ID:C6trq1U2



        ____
      /─   ─\       秩序は尊ばれるべきですが、
     / (●)  (●).\      従順な人間のままでは役に立ちません。
   /     (__人__)   \
    |      ` ⌒´     |     少し自分語りになることをお許しください。
   \            /
   ノ            \
. /´                 ヽ                 カ
 |    l   l||l 从人 l||l      l||l 从人 l||l   カ   タ
 ヽ    -一''''''"~~``'ー--、   -一'''''''ー-、.     タ
  ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) )  (⌒_(⌒)⌒)⌒))
   ┌ ┌┬┬┐┌┬┬┬┐┌┬┬┬┐┌┬┬┬┐
  ,. - ''"| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ρ ̄`l
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ノ ̄ ̄


626葉隠 ◆Zr4xz82y3k2010/02/02(火) 00:57:42 ID:C6trq1U2

自分が勤めていた工場は、先代が起こした鉄鋼関係の会社でした。


:::::::;:::;:::::::+:::::::::::::;:;:;:;::::::::;:::;::::::::::::::::::::;:;:;:;::::::::;:::;::::::::::::::::::::;:;:;:;::::・::::;:::;::::::::::::::::::::;:;:;:;::::::::;:::;::::::::::::::::::::;:;:;:;:
::: ::: :;:::;::::::::: ::::::・:::::;:;:;: ;::::::::;:: :;:::::  :::::::::: :::::;:;:;:;:::: ::: :;:::;::::::::: :::::::::::;:;:;:  ;::::::::;:: :;::::: :::::::::: :::
: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :       : : : : : : : : : : :      : : : : : : : : ・: : : : : : : : : : : : :
: : : :     : : : :    : : : :       : : : :   ;:;:;:;:::: :::             : : : :    : :
                  ._   :::::::: :::::;         :::::+::: :::::;   : : : : ・:
ヾ        _,,、--・''~l´`l~`'''ー-、、,,,_   :::::::: :::::;       :::::::: :::::;  :;::::・::::;:::
:〃ヽ_,、、-‐''''´,,、、-‐''~|  |~`'''ー-、、,,,_``゙゙'''ー-、、,,,_    ::: :::::;:;:;:;::  : : : : :     ::: ::: :;:::;::
:::〃:゙|----::==========|  |=========~`'''ー-、、,,,_ `'''''ー-、、,,,,         : : : : : : : :
:〃; ::ミ:: |          .|  | : :           : ~`''''ー-、、,, ,_`''''‥、
: : 〃;:ヾ || ̄| ̄| ̄| ̄| |  |   | ̄| ̄| ̄| ̄| ̄| ̄| ̄|゙|    ..|: lー--i ::ゝ
: :〃:;;::ヾ、||二|二|二|二| |  |   |二|二|二|二|二|二|二|゙|    |: lーi‐i:i ::.|    : : : : : : :
: : ::;;〃; ソ|: ̄ ̄ ̄ ̄ ̄.:|  |    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   : : :|::二二l :::| : : : : : : : : :
: : ::;〃:ノ::|| ̄ ̄l ̄ ̄| :|  |                       |: l   | : |
.,:::゙~ミ::丿.:|l.___゚l゚_....| .|  |===================〃i┌┬┬┬┬┬┬┬┬─
 ̄~ /':; /≡≡≡≡≡ヽ.|  ||_________、〃,,,l└┴┴┴┴┴┴┴┴─
 ミ::丿:/三三三三三三ヽ         ,,,r''''´    '''''''''''  : _,ノ' ̄ ̄ヽ  ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:
  /_                    ,,、r'''''′  : _,ノ' ̄ ̄ヽ ´ー()--()ー'-” ´: : : : : : : : :
::/   ̄ ̄ ̄`゙゙゙゙゙゙゙: : ''''''''''''''''″‐------: : : ´ー()--()ー'-”,,,,___    ..
              ,,,r''''´                     : ''''''''' '' ''
          ,,,・''''´  : _,ノ' ̄ ̄ヽ                          ,,,r''''´
               ´ー()--()ー'-”               ┏━━━━━━━━━ : : : : :
                               :::: ::  :┃_________   : : : : :


   メラ /  ̄ ̄ ̄\    カチッ  カチッ  カチッ  カチッ  カチッ
    /    \,, ,/\     カチッ  カチッ  カチッ  カチッ  カチッ  カチッ
    / u:::(●)  (●)ヽ  ________
.   |   ⌒(__人__)⌒| .| |              |   カチッ  カチッ  カチッ
.     \ u   ``ー' ,/  | |              |     カチッ  カチッ  カチッ  カチッ
   /⌒)    ー‐  ⌒ヽ. | |              |   カチッ  カチッ  カチッ
.  / _/         |ヽ   | |              |      カチッ  カチッ  カチッ  カチッ  カチッ
  ('__ ̄'⌒イ^イ^)´),Y´Y^|_|_______|
__l二二l ̄ ̄ ̄ ̄ ̄     _,| |


627葉隠 ◆Zr4xz82y3k2010/02/02(火) 00:58:09 ID:C6trq1U2

自分は、そこの2代目である息子のコネで入ったのですが、
社長は体を悪くして、次第に実権は二代目に移っていきます。


               +      +
   m n _∩          +      +    ∩_ n m
  ⊂二⌒ __)  +     ___ +       (__ ⌒二⊃
     \ \      /~三 ~\        / /
       \ \   /( ◎)三(◎)\    / /
        \ \/:::::( ((__人__)))::: \ / /
          \ |     |r┬-|     |  /
           \\    `ー'J    //
             \          /
             /          /


          ____
        /     \
      /  \   / \
     /   (●)  (●)  \
    |      __´___     |
    \      `ー'´    /


二代目はエリートです。
学歴もあり、弁も立ち、社会的地位もある人です。


628葉隠 ◆Zr4xz82y3k2010/02/02(火) 00:58:52 ID:C6trq1U2

その人が会社改革として、綱紀の粛正を行ないだしました。


         ____
       /     \
     / \   / \
    /   (○)  (○)   \   「なぁなぁの間柄だった悪弊を取り除く!」
   |      __´___     |
   \      |il!|!il|    /
   /       ̄ ̄    \


言葉は立派に聞こえますが、では、実際はどうだったのでしょうか?


629葉隠 ◆Zr4xz82y3k2010/02/02(火) 00:59:23 ID:C6trq1U2


なによりもまず、絶対服従を命じられました。
自分の言うことに従わない者は、簡単に首をきられていきました。



 (( (ヽ三/)        (ヽ三/) ))
  .  (((i )   ___   ( i)))
  / /   ./ノ   ヽ_\   ヽ \
  (  く   /(●)  (●)\   > )    おまえ、明日から置き場いけ
  \ `/::::::⌒ __´___ ⌒:::::\' /     文句あるなら来なくていいぞ。
    ヽ|        ̄      |/
      \              /


工場側からの提案を受け入れるなど論外。
聞く耳も持たない有様。


630葉隠 ◆Zr4xz82y3k2010/02/02(火) 01:00:36 ID:C6trq1U2


あげくの果てには、働いている人間に、数々の暴言、暴力、嘲笑・・・
立場をかさにして誇りを粉々に打ち砕いていきます。


      ____
     /\:::::::::/\
   /:::<○>:::<○>::::\ ,. -- 、
  /::::::::⌒._´_ ⌒::::::/    __,>─ 、         「人材なんて掃いて捨てるほどいるんです」(実話)
  |     |r┬-|   /          ヽ
  \    ` ー'´   {            |__      「人なんて替わりはいくらでもいます」(実話)
              }  \       ,丿 ヽ
             /   、 `┬----‐1    }     「仕事のミスは事務所で大声で発表」(実話)
            /   `¬|      l   ノヽ
           /    、 !_/l    l    /  }
           {       \     l   /  ,'
           \      ´`ヽ.__,ノ  /   ノ
             \     ヽ、\ __,ノ /
               ̄ ヽ、_  〉 ,!、__/


631葉隠 ◆Zr4xz82y3k2010/02/02(火) 01:01:04 ID:C6trq1U2

俺は会社が必要としている資格は全て取った。
言われたとおりのこともやった。


          _.. ‐'''''''''''' ‐ 、
         ,r'        \
        / ⌒、:::::::      ヽ,
         /( ○)::::::::::::⌒    ..i   だって、今は不景気ですから。
        i.    ::::: ( ○)     |   中小企業ではそれがあたりまえですよ。
       \ _´__         /
           \  ̄    .__/


                  ___
                    /\:::::::::/\.
                   /:::<◎>:::<◎>:::\
                  /::::::::⌒(__人__)⌒::::::\    規律とか従順を求める奴ほど、
                  |     ` ー'´  u   |    昔の忠義とかを言って来るんだよなぁ・・・
                  \  u   :::::     /
                  /    :::::::::::::::::::    \
                /                 \  〈〈〈 ヽ
                               (〈⊃  } }

けど、こっち側の言い分など聞こうともしない。
結局は、時間も労力も金も使い潰されるだけだった。


632葉隠 ◆Zr4xz82y3k2010/02/02(火) 01:01:32 ID:C6trq1U2

上の周りはイエスマンになるし、職人は次々と辞めてしまいます。


             ____
           /      \
.       / _ノ  ヽ、  \
.      /  o゚⌒   ⌒゚o  \
.       |    (__人__)   .  |
.      \    .       /
.         ヽ、      ../
           \   /
              ノ _.ノ
.           ( .(
.            )ノ
           ((
         .ノ

現場は会社の命令と顧客の要求、同僚や部下の言い分で非常に混乱します。


633葉隠 ◆Zr4xz82y3k2010/02/02(火) 01:01:57 ID:C6trq1U2

その結果、品質はどんどん落ちていったし、一人の稼働時間ばかり増えていきます。
労働意欲なんかみんな失っていきました。

                        ___
             キリッ  /     \
                /         \
                /          \  「俺の言うことだけ聞いてればいいんだ」
                  |             |
               \/        丶/
              /          \
             /            `ヽ
            /                  |
     _, -ー''''''/                 /
.  ((⌒          /            /



                        ___
                  /     \
.  彡彡彡        o゜(           \
  (⌒⌒⌒ヾ       /          \
  \    ⌒)    |             |   だってお~~~~~!!!
   ヽ  ⌒`く       \/        丶/
     ヽ    ヽ、    /          \
 バ   \    ヽ /            `ヽ
   ン l||l人从  /                  |
バ   _, -ー''''''/                 /
 ン((⌒          /            /


これが自分が実際に目にした絶対服従による弊害です。


634葉隠 ◆Zr4xz82y3k2010/02/02(火) 01:02:32 ID:C6trq1U2


                  _____
                /         \
               /            \
             /     \,      ,/     \
                /  /´  `ヽ   /´  `ヽ  \          言われたとおりのことだけやってれば、
          /    (   ● l    l ●   )    \        社会がよくなるとはとても思えねぇ。
          |     ヽ_   _ノ   ヽ_  _ノ     |
          |    ''"⌒'(    i    )'⌒"'     |
           \       `┌,─'^ー,,-┤       /        人と人との間柄には、
            \     `ー -- -一'     /          もっと情が必要なんじゃないのか?
            /                 \
           / ̄ ̄ヽ;               ヽ
           (「    `rノ                |
           ヽ   ノ              i   |
           i´ ̄ ̄`i                 l   |


葉隠武士を書こうと思ったのも、このことを考えたかったからです。


635葉隠 ◆Zr4xz82y3k2010/02/02(火) 01:03:41 ID:C6trq1U2


葉隠とは、封建社会の中でなによりも情けや人との絆を尊んだ思想です。


           , ── 、
         ノ  ヽ_  \
       _(ー ー )   |
      / ノ (_人__) /// !
    / ゚⌒  !⌒     /
    ( ./// (_人ヽ    /、
    >    ⌒ソ    `J
       (⌒´ ノ一^つ !


それは当時、流行していた朱子学にある序列と服従の教えとは、逆のことが書いてあります。


636葉隠 ◆Zr4xz82y3k2010/02/02(火) 01:04:17 ID:C6trq1U2

葉隠に書かれている人たちは、みんな生き生きとしています。
自分が隆慶一郎が好きなのも、人間の見事な生き方を書くからです。


              彡jjj;;;;;;;;;xwwォツ
             ノjjjj;;;;;;;;;;;'''ヘ彡
            ノjj',',',',','/ ,シヾィ从シソj?E
            jj',',',',:::::/ ソミミ巛ノノノノノソィ
            {,',',',':::::{ ミミミ从ソソソソソソ
.r. ´ ヽ.   r''~ :ヽ  ヾ,,',',::::{ ミミミミトt{{{{从从从}}
.{    ヽ. ヽ   ヽ  爪:::弋jf-、シ ;fメⅣヾjwjjjィ     ィ´
 ヾ  ,,ヘ, ヽ  ,,,;ヘ jij jjjjjjj,kf リ ヽテラ,. f'テfヘー一'´
  ヾ゙゙  :ヽ ヾ´   ∨ノjj'/ソヾ i     ヾ j ノ ヽ
   ヽ   :ヽ ヽ   ,:ヘ  i  ヽ, ヽ  f,ニニア/;:l  ヽ
 、  ヽ  ,,,;ヘ .ヾ''''´  ヽ l  ,ゝ ヽ ヽ__ノ/,:::|   〉
  ヽ ヾ゙゙゙  :ヽ ヽ    ヽ  《 }ヽ 丶___//::::}、  /
   ヽ ヘ   ∨;;,、__ ノヽ  ヾ }:::::\ ,/::::::::::)/  ,,, <l
  ソ :ヽ,,ソ  ,,ソ     弋  ヽ:::::::::::ソ::-ー'''' ̄ヾ´   :|
 ミx、    ,ヾ彡´  _,,ノ ,ノ'ヘ  }}::_,,∠´     ノ    :|
  ヽゝー ´   ィ~´  ノ゙´   Yi ´  ヾ _, ''¨´|     :|
  ノ    ,,ノ'´ ノ´フ       i:j    /::::::::::::::|.    :|
ヾ´   ノ´   ノ (,      {:{  ./::::::::::::::::::::|      |
 ヽ彡´    ノ'゙   i      ヾゝ  |::::::::::::::::::::::|      |
  ヽ   ノ´    ト、     ノ   |:::::::::::::::,ノ´|      |
   丶         ヽ .,-一'.     ト、:::::::,ノ ,,ヘ      |
    ヽ、         /       ト、`ソ  ノ::::ヽ    |
     ヾ、__    |        |:::::( Qノ::::::::::::}   レ


世の中って本当にしがらみ、苦悩することばかりです。
でも、隆慶を読むと、あんな風に生きてみたいなぁ、って強烈に思います。


637葉隠 ◆Zr4xz82y3k2010/02/02(火) 01:04:38 ID:C6trq1U2




        ____
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    |     .(ー)  (ー)  |     ……難しいですけどね。
   \     (__人__)  ,/
   ノ        ` ⌒´  .\
. /´                 ヽ
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 ヽ    -一''''''"~~``'ー--、   -一'''''''ー-、.
  ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) )  (⌒_(⌒)⌒)⌒))
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  ,. - ''"| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ρ ̄`l  
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ノ ̄ ̄         おしまい


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